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公開日:2011年11月15日

消費税の納付額の計算方法は 

小池 正明(税理士)

税務ワンポイント知識


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納付する消費税額は、売上に対する消費税額から仕入に係る消費税額を控除して算出する。具体的な計算は次により行なう。


消費税のしくみ

消費税は、商品やサービスの購入者である消費者が負担し、その販売や提供を行なった事業者が納税する間接税であり、商品等の流通過程における税の累積を排除するため、売上に対する消費税額から前段階(仕入)に係る消費税額を控除して事業者の納付税額を算出する。

国内の取引に係る国税としての消費税率は4%で、事業者の納付税額は、原則として次の算式により求められる。

事業者の納付税額

事業者が商品等の価格に転嫁するときの税率は5%であるが、このうち1%相当は地方消費税であり、申告・納税は消費税と合わせて国(税務署)に対して行なう。

地方消費税の税率は25%(消費税率換算で1%)で、事業者が納付すべき国内取引に係る税額(譲渡割額)は、次の算式により求める。

事業者が納付すべき国内取引に係る税額(譲渡割額)

課税標準(課税売上)に対する消費税額の計算

消費税の課税資産の譲渡等(課税売上)の合計額を課税標準額といい、これに対する消費税額は、次のように計算する。
この計算方法は、税抜きの対価に税率(4%)を乗ずるということであり、事業者の経理方法が税込経理でも税抜経理でも同じことである。

消費税額の計算方法

積上げ計算の特例の廃止と経過措置

平成16年4月1日から、消費税法において「総額表示義務」(一般消費者に対する商品等の価格の表示に際しては、消費税および地方消費税の額を含めた価格を表示しなければならないとする規定)が導入されたため、いわゆる外税方式を前提とした下記の「積上げ計算の特例」は、廃止された。
ただし、次の2つの経過措置が設けられている。

(1)総額表示義務の対象にならない取引(事業者間取引)

事業者間の取引には総額表示義務が適用されないため、従来どおりの外税方式による代金決済が行なわれるものと予測される。
このため、課税標準額に対する消費税額の計算について、当分の間、下記の積上げ計算の特例が認められる。

(2)税込価格を基礎とした代金決済を行なう取引

税込価格を基礎とした代金決済(いわゆる内税方式)を行なう際に発行される領収書等において、その領収金額に含まれる消費税相当額(その領収金額に105分5を乗じて算出した金額)の1円未満の端数を処理した後の金額を明示している場合に限り、当分の間、積上げ計算の特例が認められる。

税込価格で代金決済をしているため経過措置が適用される例

税抜価格で代金決済をしているため経過措置が適用されない例

積上げ計算の特例

課税取引に際して、領収すべき金額を本体価格と消費税額等に区分して領収している場合(いわゆる外税方式による場合)に、その消費税額等の1円未満の端数を処理しているときは、その端数処理した後の消費税等の額を基礎として、課税標準額に対する消費税額を計算できる。この場合の課税標準額は、本体価格の合計額とし、これに対する消費税額は、実際に領収した消費税額等の合計額の80%相当額となる。この計算方法を一般に、積上げ計算の特例という。

〔例〕本体価格5,635円、消費税額281円(5,635円×5%=281.75円→281円)、合計領収額5,916円の取引を、その課税期間に1,000回行なったとすると、本体価格の合計額は5,635,000円、消費税額等の合計額は281,000円となる。

この場合、原則的計算方法では、次のように225,300円が課税標準額に対する消費税額となり、225,300×25%=56,325円→56,300円が地方消費税額となる。

積上げ計算の特例

この結果225,300円+56,300円=281,600円が算出されるが、実際に領収した消費税額等は281,000円で、差額の600円は事業者の負担になるという不合理が生ずる。

これに対処するため、課税標準額を5,635,000円、これに対する消費税額を281,000円×80%=224,800円(地方消費税額は224,800円×25%=56,200円、合計281,000円)とする積上げ計算の特例が認められている。

積上げ計算が認められる要件

積上げ計算の特例は、本体価格と消費税額等を区分し、かつ、相手方にその区分を明示していることが要件となる。
また、「5%の転嫁」は、一領収書または一請求書ごとに行なったうえで1円未満の端数処理(切捨て、切上げ、四捨五入は事業者の任意)を要する。

みなし譲渡の課税標準

資産の無償取引は課税対象外取引であるが、次の2つの場合は「みなし譲渡」としてその資産の時価が消費税の課税標準となる。

  • 法人が資産をその役員に贈与した場合(著しい低額譲渡を含む)
  • 個人事業者が棚卸資産または事業用資産を家事消費・家事使用した場合


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