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公開日:2012年9月20日

採算改善につなげる「間接費」の把握・管理術 月刊「企業実務」 2012年10月号

後宏治(公認会計士・税理士)


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コストの分類、原価管理の1つの考え方として直接費・間接費の区分があります。これは通常、製品やサービスごとの原価・損益を把握する際に用いられます。ここでは、採算改善や利益確保等のために、自社の間接費をどう把握・管理すべきかについてみていきます。


間接費の範囲を検証し、配賦する

中小企業において採算管理を行なう際に、大きな障害になるのが間接費の存在です。

間接費は発生総額だけが事後的に把握されますが、どこでどのように費用が発生したか明確にはわからず、特定の財・サービスの売上に関連づけることも、特定の営業拠点や事業部門にかかわらせて認識することも困難です。

そのため、多くの中小企業では、間接費の把握を効果的に行なうことができず、その管理も十分ではありません。管理が手つかずの間接費は「コスト削減の宝庫」とまでいわれています。

採算管理の第一歩は、製品別あるいは部門別に損益計算を行ない、これを「見える化」することです。
具体的には、(1)事業を細分化(=セグメント化)し、(2)単位当り業績を測定し、もって(3)経営を可視化(見える化)する、という思考です。

経営の実態がみえてくれば、どこで改善すべきか、今後どの部門に力を入れるべきかということも一目瞭然となります。

本稿では、直接費・間接費の基本的な考え方を紹介し、部門別損益計算による採算管理の方法や間接費のコスト削減の手法について解説します。

直接費・間接費とはどういうものか

(1)製造直接費と製造間接費

原価の分類の1つに、製品の関連における分類があります。生産された製品との関連で、その発生が直接的に認識されるものを直接費といい、そうでないものを間接費といいます。

たとえば、木製家具の製造工場で、木材を購入してタンスを製造する場合、購入した木材はタンスの製作に直接使用されているため直接費(直接材料費)となります。
また、木工作業員がそのタンスの製造に投入した作業に係る労務費も直接費(直接労務費)です。

これに対して、この製造工場の生産管理、品質管理、技術スタッフ、事務員のように直接製品の製造にタッチしていない人の人件費は、そのうちいくらがタンスの製造にかかったのか直接認識できないので、間接費(間接労務費)となります。

工場の建屋や機械設備、電気代といった費用についても同様に間接費(間接経費)となります。

イメージとしては、直接費はある製品の製造にはっきりと帰属させることができる費用で製品とのつながりが明確なもの、間接費は他の製品の製造にも共通に使用されている費用で、特定の製品の製造にどの程度かかるのかそのつながりが曖昧なもの、と考えればよいでしょう。

直接費・間接費と原価・利益の関係

(続く)

企業実務



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