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公開日:2012年7月20日

まだまだこんなにある!「固定費見直し」徹底ガイド 月刊「企業実務」 2012年8月号

佐久間裕幸(公認会計士・税理士)


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利益を出やすくする有効な手段のひとつが固定費の削減。固定費を下げると損益分岐点が下がるからです。ではどこに目をつけて見直しを図っていくか、効果の出る取組み方について解説します。

固定費にまつわる常識と非常識

固定費の見直しが必要な理由

税理士として顧客と接しているときに「うちの経費で無駄なものはないですか?」という質問を受けることがあります。

売上数量を増やしたり、売上単価を高めたり、仕入コストを削減することが究極の利益獲得策であることはわかっているものの、その実行は非常に困難です。
毎月支払っている製造原価や販売費・一般管理費のなかに無駄な支出があるなら、削減して少しでも経営状況を改善したいというのは、誰でも考える方向性です。

しかし、大企業と異なり、中小企業にはそれほど無駄な支出はない場合が多いのも確かです。
経営改善が必要だということで銀行などが財務担当の役員を派遣し、むやみにコストカットしたためにその企業の基盤となるノウハウや強みが失われて倒産を早めてしまったという話も聞かれます。

そこで今回は、ただ経費を削減するのではなく、無駄や不効率なものがないかを見直すことも含めての固定費見直しを検討してみましょう。

企業の製造原価や販管費には売上に対して比例的に発生する原価や経費と、売上高とは比例せず固定的に発生する原価や経費があります。
前者を変動費と呼び、後者は固定費と呼ばれています。

人件費は、一般的には固定費とされますが、残業手当は変動費と考えることもできます。

派遣社員や期間工の給与は数か月以上の期間での操業度、業務量の変化に対しては変動させることができるので変動費とみることもできます。

完全に変動費なのは、販売商品・製品の出荷に関わる荷造運賃、梱包材料費などです。

反対に本社社屋の賃借料、工場建物や機械の減価償却費、コンピュータやソフトウェアのリース料などは、完全に固定費といえます。
少なくとも1~2年内の期間でいえば、固定費となります。
変動費の見直しも検討するに越したことはないのですが、売上高に比例して発生するため、粗利との比較も容易にでき、多くの企業では削減の努力をしています。

それに比べて固定費は、本店を頻繁に移転するわけにもいかず、工場建物や機械は10年以上のスパンでの設備投資であり、一度支出の意思決定がなされると変更が困難であるため、管理しようという意識が向きにくい支出です。
そのために惰性で支払われ続けているものがあるかもしれません。
(続く)

企業実務



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