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公開日:2016年10月27日

儲けを発展させる「原価管理」を身に付ける 月刊「企業実務」 2016年11月号

井海宏通(株式会社経営戦略オフィス代表取締役 中小企業診断士)


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どの程度まで原価計算を行なうのが最も効果的か

原価計算の結果を将来の儲けにつなげる7つの視点


正しく利益を稼ぐためには原価管理が重要ですが、コスト意識が強すぎると商品やサービスの魅力まで失う可能性があります。
ここでは、スムーズに原価計算を進める方法と、将来の儲けにつなげるノウハウを紹介します。

どの程度まで原価計算を行なうのが最も効果的か


原価とは、「製品を一個生産するのにかかる費用」を指し、製品ごとの原価を算出することを原価計算といいます。
原価は、ただ計算すればよいのではありません。目的が不明確なまま、原価計算自体が目的になってしまう(原価計算のための原価計算の状態)と、複雑で手間がかかるだけの「役に立たない作業」になってしまいます。
原価計算を効果的に行なうには、その目的をよく理解しておく必要があります。

原価計算の目的と原価管理

まず、原価計算は原価管理の一環として実施します。原価管理とは、原価のPDCAサイクルを回すことをいいます(図表1)。


図表1 原価のPDCA サイクル

Plan では、原価の目標を「標準原価」として設定します。
Do は生産活動。
Check は、実際にかかった原価を「実際原価」として算出し、標準原価との差異を分析します。
Action では、標準原価と実際原価の差異分析の結果を具体的な改善策に落とし込みます。そのうえで、今後の標準原価を再設定する Plan に戻ります。
PDCAサイクルとは、これら一連の流れを永続的に繰り返すことで、これが原価の「管理」です。その目的は継続的な改善であり、具体的にいえば原価の削減です。
「原価を把握していること」と「原価を管理していること」とはまったく異なります。原価を把握している、つまり原価計算をしているだけでは「原価を管理できている」とはいえません。
目標(標準原価)を設定し、実際原価と比較分析のうえ、具体的な改善活動に結び付ける必要があるのです。そして、現実に原価の削減(または高騰の食止め)ができていなければなりません。

原価計算は利益のため

原価計算の目的は、原価削減だけではありません。原価管理による原価削減は狭義の目的で、広義の目的は「利益の増加」です。
たとえば、原価計算と密接な関係にあるのが、価格設定です。原価を知らずして適正な価格設定はできません。当然ながら、価格設定は、売上高や粗利益に影響を及ぼします。
また、原価がわからないと、「ある製品がこれだけ売れた場合、いくら粗利益が増えるのか」といったシミュレーションができません。その結果、事業計画や年間予算などが立てにくくなり、経営判断の精度が下がります。
原価計算が会社の利益にどう結び付くのかは次節で説明しますが、「原価計算の目的は利益の増加」と理解することが、原価計算を効果的に行なう第一歩です。

(続く)

企業実務



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