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公開日:2016年9月23日

雇用継続と雇止めにまつわる実務トラブルを防げ! 月刊「企業実務」 2016年10月号

吉村雄二郎(吉村労働再生法律事務所 弁護士)


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派遣社員を長く雇うときに想定すべき問題と対策

高年齢者の継続雇用で想定すべき問題と対策

病気休職から雇用終了になる場合の問題と対策


日本の労働法では正規社員としていったん雇用すると解雇しにくくなるため、非正規社員の活用が増加しています。
雇用継続や雇止めを巡りトラブルが起きやすい3つのパターンについて、その対策を探ります

派遣社員を長く雇うときに想定すべき問題と対策


平成27年9月30日施行の改正派遣法により、派遣期間等のルールが改定されました。
派遣先企業は、雇用人員・コストの調整ができる派遣社員を、必要に応じて長く勤めさせたいと考えることもあります。ただし、派遣期間の違反には労働契約申込みみなし制度などの重いペナルティが課されます。そこで、派遣先企業が派遣社員を長く雇いたい場合に、ぜひとも押さえておくべきポイントについて整理します。

法改正による派遣期間の制限を理解する

改正前の派遣法は、派遣先の業務内容によって派遣労働者の受入可能期間が制限されていました。いわゆる専門26業務(事務用機器操作業務など)は期間制限にかからず、その他の業務(自由化業務)には原則1年、最長3年の期間制限が設定されていました。
改正された派遣法では、この期間制限の取扱いを廃止し、派遣元に無期雇用されている派遣労働者と60歳以上の者を新たに期間制限の対象外としたうえで、すべての業務に関し、「事業所単位の期間制限」「個人単位の期間制限」という2つの期間制限に再構成されました。
なお、以下、派遣元にて、有期で雇用されている派遣労働者を「有期雇用派遣労働者」、無期で雇用されている派遣労働者を「無期雇用派遣労働者」と呼びます。

事業所単位の期間制限とは

(1) 期間制限の概要
派遣先は、同一の事業所において、派遣元事業主から3年を超える継続した有期雇用派遣労働者の受入れはできません。
ちなみに、単位となっている「事業所」とは、

(1) 工場、事業所、店舗等、場所的に他の事業所その他の場所から独立している
(2) 経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有する
(3) 一定期間継続し、施設としての持続性を有する

等の観点から実態に即して判断するとされています。

(2) 意見聴取により延長ができる
ただし、派遣先が、事業所における派遣労働者の受入開始から、制限期間を過ぎた最初の日(以下「事業所の抵触日」といいます)の1か月前の日までに、事業所の過半数労働組合(または労働者過半数代表、以下「過半数労働組合等」)から意見聴取した場合には、さらに最長3年間延長して労働者派遣を受け入れることができます(図表1)。


図表1 事務所単位の期間制限

その後さらに3年経過した場合も同様です。
なお、過半数労働組合等が異議を述べたときは、派遣先は、当初の3年の期間が経過することとなる日の前日までに、派遣可能期間を延長する理由等を当該組合等に対して説明しなければなりません。
以上から、事業所単位の期間制限をクリアするためには、延長のための意見聴取手続を確実に行なうことが重要です(図表2)。


図表2 派遣期間の延長手続き

(続く)

企業実務



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