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公開日:2016年3月22日

環境激変の前に手を打て! “筋肉質”になるための会社体質改善 月刊「企業実務」 2016年4月号

井海宏通(中小企業診断士)


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ムダの排除と「体質改善」は異なる

あなたの会社の「BMI」は適切か

予測困難な状況下、2016年度に取り組みたいポイント


中国経済の動向、為替、株式、原油相場の行方、金利政策や消費税の軽減税率議論など、内外で様々な不安要因が挙げられます。
本稿では、新年度にあたり、これから取り組みたい体質改善策について考えます。

ムダの排除と「体質改善」は異なる


会社を強くするには、ムダなコストを削減し、筋肉質な体質をつくらなければなりません。

しかし、ダイエット方法を間違えると脂肪と一緒に必要な筋肉まで落としてしまうように、コストダウンの方法を間違えると、競争力まで落としてしまいます。

そもそも、コスト削減は会社を強くすることが目的です。現場のモチベーションを下げるようなコスト削減は間違いで、むしろモチベーションを高め、現場を強くする方法を目指すべきです。


間違ったコスト削減の例

コスト削減でありがちなのは、金額を定めて全部門一律で削減するケースです。

たしかに、ムダなコストは削減すべきですが、かけるべきところに投資しないと、商品力、生産力、販売力などが失われてしまいます。

また、下請け叩きも考えものです。度を超す値引き要請は優良な業者が離れる要因ともなり、結局は自社の競争力を落とします。価格交渉は、あくまで健全な範囲で行なう必要があります。

そして、商品開発や新しい設備に資金を投入しない会社もありますが、目先の利益にはプラスに働いても、長期的には他社との競争に負けてしまいます。将来に向けた投資は、コスト削減とは分けて考えるべきです。


コスト削減を行なう際の切り口

以下、コストを削減する際の切り口を紹介します。

(1) コストはかけ算

コストの額は使用量と単価のかけ算ですので、コストを削減するには「使用量」と「単価」の2つに分解して考えます(図表1)。

図表1 コストは「使用量×単価」

大まかな役割分担としては、現場部門が使用量を、購買部門が単価をそれぞれ管理しながら削減に努めるのが一般的です。

競合他社と差が出やすいのは、使用量の管理です。規模の似た会社同士では、購買力、すなわち単価交渉力も類似しており、仕入価格ではあまり差は付きません。

しかし、ムダをなくして使用量を減らす努力は企業差が大きく、これがコストの差に直結します。

(2) 過剰品質は高コスト

商品の品質(機能、性能、サービス力なども含む)が高いに越したことはありませんが、それは「原価が同じなら」という前提条件付きです。

通常は、品質を高めれば高めるほど、商品の原価(コスト)も連動して高くなります。

もちろん、品質の高さを価格に転嫁できれば問題ありません。それでも顧客が納得して高めの金額を支払ってくれるなら、そのほうが健全です。

しかし、価格に転嫁できないのであれば、顧客はそこまでの高品質を商品に求めていない可能性があります。顧客が重視する要素にはコストをかける一方、そうでない部分はコスト削減を優先するメリハリが大切です(図表2)。

図表2 満足度に影響しない要素を削る

(続く)

企業実務



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