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公開日:2015年5月21日

オフィスも実務もすっきり 証憑類の「電子保存」のコツを攻略しよう 月刊「企業実務」 2015年6月号

安田大(税理士・社会保険労務士)


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紙資料や証憑類の電子保存が進めば、物理的な保管スペースがいらなくなったり、過去の資料を検索しやすくなったり、とメリットは大きい。税制改正で領収書の電子保存が認められる範囲も広がった。
「いざ電子化」という段階に備えて知っておたい実務知識を解説する。


税制改正で広がった電子保存の適用範囲


平成27年度税制改正で、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則」が改正され、証憑類のスキャナ読み取りによる電子保存の要件が緩和されました(図表1)。

図表1 スキャナ保存の適用範囲の拡大


スキャナ保存が勧められる経緯と現状

これまで日本では、法令によって紙での保存が義務付けられていることが、民間の経営活動や業務運営の効率化の阻害要因となっているとされていました。

民間からの強い要望などもあり、国税関係書類のスキャナ保存制度は、書面の保存等に要する負担軽減を通じて国民の利便性の向上、国民生活の向上および国民経済の健全な発展に寄与するため創設されました。

具体的には、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法に基づき作成された「e-Japan重点計画 2004」(平成16年6月15日IT戦略本部決定、民間における文書・帳票の電子的な保存を原則として容認する統一的な法律の制定を行う)を受けて、平成17年4月1日に「e-文書法」が施行されました。

e-文書法は、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(e-文書通則法)」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(e-文書整備法)」の総称です。

そして、税務関係書類については、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(電子帳簿保存法)」の改正により、次のことが可能になりました。

  1. 自己が電磁的記録(電子データ)により最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿書類で、一定の要件を満たすものについては、サーバ・DVD・CD等に記録された電磁的記録のままで保存することができる
  2. 自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿書類については、その電磁的記録を電子計算機出力マイクロフィルム(COM)により保存することができる
  3. 手書きの文書等をスキャナで読み取る方法による電磁的記録により保存することができる

適正・公平な課税を確保するということから、スキャナ読み取りによる保存ができるのは、特に重要な文書である決算関係書類や帳簿、一部の契約書・領収書を除いて、真実性・可視性を確保できる要件のもとで認められる、というものでした。

しかし、電子帳簿保存に係る承認件数は、国税庁の平成23事業年度末で13万3240件ありましたが、そのうちスキャナ保存に係る承認件数はわずか103件(0.08%)に過ぎませんでした。

(続く)

企業実務



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