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公開日:2015年1月20日

期末・年度末が特に危ない 会社を蝕む「社内不正」を起こさない組織をつくる! 月刊「企業実務」 2015年2月号

戸村智憲(公認不正検査士)


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どのような規模の会社でも、横領・着服、社員情報の持ち出しによる漏洩などの「社内不正」が起こる可能性があります。そこで、中小企業が社内不正の起こりにくい組織をいかにつくるか、ポイントを解説します。


なぜ不正が起きるのか、防げないのか

社内不正にはいろいろなパターンがありますが、最近特に目立つのは、その不祥事がインターネット等を介して外部に漏洩することです。

飲食業関連の業界では、アルバイトによる食品衛生法違反にあたる行為のネットへの不適切投稿によって、会社が倒産したり、店舗の閉鎖に追い込まれたりする事態が起こっています。

また、大手教材会社で起こった個人情報漏洩事件では、非正規社員がシステムから顧客情報を流出させたことが、社長の謝罪会見や多額の損害賠償の問題にまで発展しました。

そのようなニュースを見聞きすると、「会社は問題児に足を引っ張られた“被害者”だ」と思うかもしれません。

あるいは「責任は犯人だけにあって、ほかの社員には問題はないのではないか」と思うかもしれません。


勝手な解釈で広がる“グレーゾーン”

不正が起こる背景には、犯人以外の周囲の社員の行動が影響していることが考えられます。

世の中には簡単に白黒がつけられない、法令に違反しているかどうかは微妙なグレーゾーンがあります。

しかし、グレーゾーンの解釈を勝手に広げる傾向のある職場では、社員が「これくらい、まあいいか」と思ってしまう範囲が広がりがちです。

そしてそのうち、不正行為がついつい常態化する、といったことが起こってしまうのです。

さらに、もともと会社への忠誠心の薄いアルバイトやパートなどの非正規社員は、正社員よりもはるかに軽い気持ちで不正行為にかかわる可能性があります。

そのような職場環境になってしまう背景には、社員に「甘い心理」が蔓延することがあるのです。

不正を起こしてでも利益を得たいという心理が芽生えたとしても、「小さな不正も見逃さない」という職場風土ができていれば、ブレーキがかかるでしょう。

一方、日常的に小さな不正が見逃されるような緩い職場であれば、より深刻な不正行為に向けて、むしろ不正へのアクセルを踏んでしまうかもしれません。


不正の責任は役員にまで問われる

近年、社内不正が起こらないようにするため「内部統制」という言葉が一般的に使われるようになりました。

この言葉が注目されたのは、大和銀行ニューヨーク支店で非正規社員が起こした巨額損失事件についての判決でした。

このとき会社に突きつけられたのは、非正規社員が起こした不正でも、その責任は役員が負うということでした(図表1)。

図表1 大和銀行ニューヨーク支店事件で役員が問われた責任とは

(続く)

企業実務



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