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公開日:2013年7月22日

企業の対応は変わるのか 「税務調査」の手続き明確化等の影響を検証する 月刊「企業実務」 2013年8月号

平山憲雄(税理士)


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平成23年度税制改正で国税通則法等が改正され、税務調査手続きの透明性と納税者の予見可能性を高める観点から、調査手続きを明確化する措置などが講じられました。
ここでは、改正の概要と対応策を解説します。


税務調査手続きがどのように規定されたのか


国税通則法等の改正の経緯と目的

今回の税務調査の手続きの改正は、そもそも民主党政権下の平成22年末に閣議決定された平成23年度税制改正案において、納税義務者権利憲章の創設、税務調査手続きの明確化、更正の請求期間の延長、処分の理由附記などを改正する国税通則法の改正を含んだ所得税法等の改正案が発端となっています。

なかでも、納税義務者権利憲章の制定が主眼となっていました。納税義務者権利憲章とは、納税義務者の権利を保障する基本的な規定のことを指します。

しかしこの法案は、結局、自民党の反対などから陽の目を見ることなく廃案となりました。

その後、平成23年3月の東日本大震災を経て同年6月の3党合意により、納税義務者権利憲章を外して、同年11月に所得税法等の改正として成立しました。

これらの改正事項は、一部の規定を除いて、平成25年1月1日以後に開始される税務調査から運用が行なわれています。

実務家からすると、国税当局の税務調査の運営方法を明確化した点は評価できます。

ここでは、平成23年12月からすでに施行されている更正の請求期間の延長を除き、税務調査手続きの主な改正点をみていきます。


事前通知における変更点

調査手続きの透明性を高めるために、調査の事前通知が行なわれることになりました。

従来は税理士法上に、「調査をする場合に納税義務者とあわせて税理士にも日時・場所を通知する」という規定しかなく、その拘束力は弱いものでした。

今回の改正でも、当初案では事前通知は必ず文書で行なうという規定でしたが、改正法では単に、「通知」と規定されました。このため、電話等による口頭での通知が行なわれることになります。

ただし、税務署長の判断で調査の遂行に支障があると判断したときには、事前通知をしないこともあります。

どんな場合が事前通知をしないときに該当するかというと、たとえば、事前通知をすることによって帳簿等の破棄が行なわれる、あるいは正確な税額の把握を困難にする行為が行なわれる、などが該当するものと思われます。

その事前通知の対象者ですが、原則として、納税義務者本人となり、税理士に対しても事前通知が行なわれます。

具体的には、次の項目が通知されます。

  1. 調査を開始する日時
  2. 調査を行なう場所
  3. 調査の目的
  4. 対象となる税目
  5. 対象となる期間
  6. 対象となる帳簿等の種類
  7. 対象となる納税義務者の氏名と住所
  8. 調査官の氏名と所属

なお、納税義務者から、事前通知の詳細は税理士を通じて通知して差し支えない旨の申立てがあった場合には、納税義務者には実地の調査を行なうことのみを通知し、その他の通知事項は税理士を通じて通知することとして差し支えないとされています。

(続く)

企業実務



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