N.J. HIGH-TEC - NJ Business Online

経理・税務 | エヌ・ジェイ出版販売株式会社


【お知らせ】 実践「経営実学大全」 好評発売中です

Home経理・税務企業実務・特別記事 ≫ 十分な備えで混乱を回避 消費税増税に伴う経過措置・準備事務を総点検する!...
公開日:2013年6月24日

十分な備えで混乱を回避 消費税増税に伴う経過措置・準備事務を総点検する! 月刊「企業実務」 2013年7月号

小池輝雄(公認会計士・税理士)


このエントリーをはてなブックマークに追加  

消費税率の改正は2段階で税率が上がり、税率変更時の経過措置も一部にあるため、経理担当者等は事前に対策をとることが必要です。

消費税増税前に検討しておきたい実務上のポイントを解説します。


増税スケジュールとクリアすべき前提条件

図表1 消費税増税のスケジュール 社会保障・税一体改革関連8法案が2012年8月10日に参院本会議で可決・成立し、消費税と地方消費税(以下「消費税等」といいます)は2段階で10%に引き上げられることになりました。

消費税増税のスケジュールは図表1のとおりです。

ただし、消費税の増税に際しては法で定められたクリアすべき前提条件があり、その前提条件をクリアしてはじめて増税を行なうことができます。言い換えれば、前提条件をクリアできなければ、消費税の増税は行なわれません。

また、引上げが行なわれた場合においても、一部に例外(経過措置)があります。


消費税引上げに際して国がクリアすべき前提条件

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」(以下「改革消費税法」といいます)の法律附則18条によると、国は消費税率引上げの前に図表2に示した【1】~【3】の措置を講ずることになっています。

以下、1つひとつみていきましょう。
図表2 消費税引上げに際してクリアすべき前提条件

条件【1】

名目の経済成長率で3%程度、実質の経済成長率で2%程度を目指した措置を講ずる

消費税率の引上げは、経済状況の好転を条件として実施するため、名目の経済成長率で3%程度、実質の経済成長率で2%程度を目指した措置が講じられます。

なお、ここでいう「名目の経済成長率」とは、国内で生産された製品・サービスを時価で示した名目国内総生産の伸び率をいいます。

また、「実質の経済成長率」とは、国内で生産された製品・サービスを時価で示した名目国内総生産から物価変動分を除いた実質国内総生産の変化率をいいます。

条件【2】

景気回復のための重点的な公共投資等の施策を検討する
わが国の経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえたうえで、景気回復のための重点的な公共投資等の施策が検討されています。

条件【3】

経済状況等を総合的に勘案したうえで実施するか否か等の決断を行なう

消費税率引上げの施行前に、前述した【1】と【2】の措置・施策を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案したうえで、消費税率引上げを実施するか否か等の決断を行なう旨が記載されています。


余程のことがない限り増税は「既定の路線」となっている

【1】~【3】をみたとき、筆者としては②に違和感を感じます。

【1】と【3】は消費税増税を行なうことは全国民・企業を含めた経済全般に大きな影響・負荷を与えるため、その影響・負荷に耐えられるだけの経済成長が行なわれていなくてはならない、という趣旨に沿った条件と考えられます。

しかし、【2】は経済成長等について言及せず、一見、消費税率引上げの要件とは関係のないような公共投資等への支出の助長を述べているに過ぎないと見受けられるからです。

(続く)

企業実務



このエントリーをはてなブックマークに追加  



PAGE TOP