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公開日:2020年9月24日

新型コロナに対応した 就業規則の見直しポイントとは 月刊「企業実務」 2020年10月号

毎熊 典子(フランテック社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士)


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テレワークの実施に伴う見直しポイント

時差出勤の実施に伴う見直しポイント

通勤手段の変更に伴う見直しポイント

就業禁止に関する規定の見直し


新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、多くの企業はその対応に追われています。
政府による緊急事態宣言を受け、急遽、在宅勤務や時差通勤を始めたものの、制度の整備が追いついていないケースも少なくありません。
そこで、新型コロナウイルスに対応した就業規則の見直しポイントを解説します。


テレワークの実施に伴う見直しポイント

(1)新型コロナ対策としてのテレワークの実施

突如、世界をパンデミックの渦に巻き込んだ新型コロナウイルス感染症が広がるなかで、事業の継続と従業員の安全の両立を図るため、急遽、テレワーク勤務を実施した企業は、少なくありません。
東京商工会議所が会員企業1万2555社を対象として実施した「テレワークの実施状況に関する緊急アンケート」(令和2年6月17日)では、ことし5月29日から6月5日までの期間におけるテレワーク実施率は67.3%で、同年3月の調査時に比較して41.3ポイント増加しています。
従業員規模別では、従業員30人未満の実施率は45.0%であり、300人以上では90.0%と規模が大きくなるに従い、テレワーク実施率が高くなっています。
また、同調査では、テレワークを実施している企業のうち、52.7%が緊急事態宣言発令以降から実施していると回答しています。
新型コロナウイルス感染症のリスク対策として急遽テレワークを実施した企業では、一時的な措置として、従業員との個別の同意に基づき実施していたケースが少なくないものと思われます。
しかし、緊急事態宣言解除後においても事態が収束する気配が見えず、新型コロナへの継続的対策が必要とされるなかで、「ニューノーマル時代」の働き方として、テレワーク勤務を一時的な措置としてではなく、継続的な勤務形態として導入するために、社内体制の整備に取り組む企業が増えているものと思われます。

(2)就業規則で定めておくべき事項

就業規則にテレワーク勤務に関する規定がなく、従業員との個別の合意もなければ、会社が従業員にテレワーク勤務を行なわせることができません。
テレワーク勤務を勤務形態の1つとして新たに導入するに当たっては、次の事項を就業規則等に定めておくことが必要となります。

■テレワーク勤務に関して就業規則等で定めておくべき事項
 ・テレワーク勤務の実施目的
 ・勤務形態(在宅勤務、モバイル勤務、サテライトオフィス勤務)
 ・適用対象者
 ・申請・許可手続き
 ・就労場所
 ・テレワーク勤務に適用する労働時間制
 ・休憩時間
 ・テレワーク勤務時の服務規律
 ・情報通信機器に関する事項
 ・通信費、事務用品等の費用負担
 ・情報漏えいの防止
 ・テレワーク勤務時の連絡体制
 ・テレワーク勤務を行なう社員の教育・研修に関する事項
 ・安全衛生に関する事項

これらの事項は、就業規則本体に定めるほか、就業規則の付属規程として「テレワーク勤務規程」を作成することが考えられます。
テレワーク勤務を導入済みの企業では、多くの場合、労働時間や休憩時間など、通常勤務の従業員にも適用する事項については就業規則本体に定め、テレワーク勤務に特有の事項についてはテレワーク勤務規程に定めるという対応がとられています。

(3)雇用型テレワークガイドライン

就業規則の見直しやテレワーク勤務規程の作成を行なう際は、厚生労働省が公表している「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(雇用型テレワークガイドライン)の内容を理解しておくことが大事です。
雇用型テレワークガイドラインでは、在宅勤務だけでなく、モバイル勤務やサテライトオフィス勤務を行なう際に適用する労働時間制や、テレワーク勤務者の安全衛生管理、業績評価、費用負担、社内教育など、会社が従業員にテレワーク勤務を行なわせる際に留意すべき事項について、解説しています。
また、テレワーク勤務時の情報セキュリティについては、総務省が「テレワークセキュリティガイドライン」を公表しており、同ガイドラインでは、テレワーク勤務に関して、経営者、システム管理者およびテレワーク勤務者が実施すべき対策のポイントについて解説されています。
そして、テレワーク勤務(在宅勤務)時の作業環境の整備については、厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を参考にして体制の整備を進めることが望まれます(図表1)。

図表1 テレワーク勤務規程例図表1 テレワーク勤務規程例

(続く)

企業実務



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