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公開日:2012年11月20日

いよいよ金融円滑化法が終了!金融機関の融資姿勢と企業の対策を総点検する 月刊「企業実務」 2012年12月号

上田真一(銀行取引コンサルタント)


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金融円滑化法が来年3月末で期限切れとなります。同法の適用を受けてリスケを受けた企業もそうでない企業も、来年4月以降を見据えて早急に対策を練る必要があります。ここでは、今後の金融機関の変化を確認のうえ、企業が採るべき対策を考えていきます。


金融円滑化法の施行からこれまでの状況

資金繰りが厳しい中小企業を支援することを目的とした中小企業金融円滑化法(以下、金融円滑化法といいます)は、来年3月末に期限を迎えることになり、その後の中小企業への影響を懸念する声も聞かれます。
金融円滑化法の期限切れを見据えて、これまでの状況を振り返りつつ、金融機関の対応はどう変化するのか、また中小企業はどう考え行動していくべきか、などについて考えていきます。


法施行から現在までの金融機関の状況

平成21年12月4日に、金融円滑化法が施行されてから今日まで、銀行・信金の貸出残高は、ほぼ一貫して下がり続けています(図表1参照)。

図表1 銀行・信金の貸出残高の推移

平成24年3月には年度末の需要から一時的に増加しましたが、平成24年8月の貸出残高からわかるとおり、貸出減少に歯止めがかかっていないことが確認できます。
銀行・信金の貸出残高の減少は、「貸し渋り・貸しはがし」によるものと思われがちですが、実際には別の要因によるものです。
金融円滑化法を踏まえてリスケジュール(以下、リスケといいます)した企業は基本的に新規借入ができなくなるので、金融機関が融資する先がどんどんなくなっていき、結果として、貸出残高が伸び悩んでいるのが実状です。
次に、金融機関の不良債権(金融再生法開示債権)の推移をみていきましょう(図表2参照)。

図表2 金融再生法開示債権の推移

金融再生法開示債権は、金融円滑化法施行前後から今日まで、ほぼ横ばいとなっています。企業がリスケをしたとしても、即不良債権になるわけではないため、金融再生法開示債権の額については大きな変動はありません。
また不良債権比率は、2.9%前後でほぼ一定しており、特段問題ない水準といえるでしょう。
貸出金が減少傾向にあっても、不良債権比率が横ばいだったのは、金融円滑化法を踏まえて条件を変更した債権の多くが、不良債権とみなされなかったためといえます。


法施行から現在までの中小企業の状況

中小企業の業績は、いまのところ回復の兆しがなかなかみえてこない状況です。ただ、企業の倒産状況は、金融円滑化法施行後は、件数、負債総額ともに減り続けています(図表3参照)。

図表3 全国企業倒産状況

これは、中小企業がリスケをしたことによって資金繰りが改善されたためと推測されます。ただ、資金繰りによる改善効果はあったものの、業績悪化の主要因である売上不振からは脱却できていない状況といえます。

(続く)

企業実務



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