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公開日:2015年7月13日

罰則強化で備えが急務。知らないとマズい マイナンバー対応で確実にやっておきたいこと 


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2016年1月に開始されるマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)の運用にあたり、2015年10月から順次、個人には12ケタの個人番号が、法人には13ケタの法人番号が付与されます。
マイナンバー制度が導入されるまでに、中小企業の総務・人事担当者が何を行なえばよいのか、主なポイントを解説します。

(文責:日本実業出版社編集部 / 監修:社会保険労務士法人 名南経営)


マイナンバー収集対象者の洗い出しをしよう

2016年1月からマイナンバー制度がスタートすると、税分野や社会保障分野の手続きをするとき、従業員の氏名などと同様にマイナンバーを提出書類へ記入することになります。

企業は、従業員の社会保障(例:健康保険、厚生年金、雇用保険)や、税務(例:所得税の源泉徴収、支払調書の作成)について、様々な手続きを担っていますから、各種手続きをスムーズに行なうためにも、制度が始まる前に従業員のマイナンバーを収集しなければなりません。


この場合の「従業員」には、役員やパートタイマー、アルバイトも含まれます。
従業員が国民年金第3号被保険者の届出をしたり年末調整の扶養控除等申告書を提出する場合は、従業員のほか、その扶養家族のマイナンバーの収集も必要です。

そのほか、業務を委託している弁護士や税理士、社会保険労務士などの外部専門家に報酬を支払っている場合や、株式の配当や譲渡による対価を支払う場合は、支払調書にマイナンバーを記載する必要があるので、それら支払先のマイナンバーも収集しなくてはなりません。

なお、派遣社員の税分野や社会保障分野の手続きは派遣元が行なっていますから、派遣社員のマイナンバーを利用する事務は派遣先には生じません。


マイナンバーを通知する「通知カード」は、住民票の住所地に簡易書留で郵送される予定です。
現在住んでいる居住地と住民票の住所が異なる場合、通知カードが届かないという問題が発生するので、居住地に住民票を移動させていない場合は速やかに移動させる旨のアナウンスを行ないましょう。

また、マイナンバーは極めて秘匿性の高い個人情報ですから、従業員からマイナンバーを収集するときは、企業がマイナンバーを利用する目的を可能な限り明示しなければなりません。
利用目的の通知方法は、通常、以下のいずれかで対応することになります。

企業規模を問わず「基本方針」の策定が必要になる

企業がマイナンバーを扱うにあたっては、企業規模を問わず、組織としてあらかじめ「基本方針」を策定することが求められています。
基本方針とは、自社における特定個人情報の取扱いに関しての安全性確保等を図る目的で対応の方針を明確にしたものです。

実際のところ、法律に「基本方針を定めなさい」とは書いてありませんが、策定しておけば企業側のリスク管理につながります。
内閣府外局の第三者機関である「特定個人情報保護委員会」が示す「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」に基本方針の事例が掲載されているので、参考にするとよいでしょう。

出典:特定個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」
日本実業出版社『マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本』P92より



基本方針については、監督官庁等への届出は不要で、社外への公表も義務付けられているものではありませんが、社内規程(情報管理規程)への記載や社内報における告知、社内のイントラネット上への掲載といった形で従業員に周知させることが重要です。
できる限り、個人番号が通知される2015年10月いっぱいを目途に、基本方針の策定と周知を終えておきましょう。

そのほか、従業員数が100人超の企業は、マイナンバーの取扱方法を明確にした「取扱規程」の策定も必要です。
特に、情報漏えい事故が生じる可能性があるマイナンバーの運用では、以下に示した5段階で、取扱方法、責任者・事務取扱担当者とその任務等を定めることが求められています。


特定個人情報取扱規程は、従業員の労働条件に関するものではないので、一般的な規程の運用のように、従業員代表の意見聴取を行なったり、管轄の労働基準監督署への提出は必要ありません。

企業側の負担が最も大きい安全管理措置について

「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下、「番号法」といいます)では、マイナンバーを含む特定個人情報の漏えいを防止するため、以下の4つの措置を講じなければならないとしています。

 (1) 組織的安全管理措置 … 情報漏えい等の事故発生に備えた組織体制の整備など
 (2) 人的安全管理措置 … 総務・経理などの事務取扱担当者に対する監督と教育など
 (3) 物理的安全管理措置 … パソコンや電子データの盗難防止策など
 (4) 技術的安全管理措置 … 外部からの不正アクセスの防止策など

安全管理措置の実施は、マイナンバー対応で最も企業側の負担が大きいところで、主なポイントは以下のようになります。

出典:特定個人情報保護委員会事務局「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドラインの概要」一部改変
日本実業出版社『マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本』P80より一部抜粋



従業員が1人の企業であっても、情報が漏えいすることがないよう徹底した管理のもとで運用しなければなりません。
しかし、すべての企業に高次元の対策を求めることは現実的とはいえないため、従業員数が100人以下の事業者に対しては厳格な管理等が多少緩和されています。

たとえば、(1)組織的安全管理措置の「取扱規程等に基づく運用」の場合、原則として求められる対応は、「取扱規程等に基づく運用状況を確認するため、システムログまたは利用実績を記録する」とありますが、従業員数100人以下の事業者に対しては、「特定個人情報等の取扱状況のわかる記録を保存する」とするなど、一部に例外的な取扱いが設けられています。

この「従業員数」には、直接雇用のパートタイマーや嘱託社員、完全に独立した労務管理を行なっていない支店や工場等の従業員数も合算して計算します。
ただし、マイナンバーを取り扱う委託事業者(社会保険労務士事務所等)は、その事務所の従業員数が1人であったとしても、100人超の企業と同様の対策を講じることになります。

番号法の罰則は個人情報保護法よりも厳しい!

マイナンバーの保護措置などを規定している番号法は、個人情報保護法の「特別法」としての位置付けとなり、マイナンバーに関しては番号法の規定が優先する形となります。
注意したいのは、番号法の罰則は、個人情報保護法よりも重い内容が設けられていることです。

日本実業出版社『マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本』P135より


たとえば、個人情報保護法においては、ベネッセコーポレーション事件のように、委託先企業において不正な利益を得る目的で個人情報を第三者へ提供したり盗用したケースであっても、罰則そのものがありませんでしたが、番号法では、「3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金または併科」といったように、罰則の適用範囲が拡大されています。

また、正当な理由なく特定個人情報ファイルを第三者に提供するような場合にも、「4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金または併科」が科せられることがあります。

出典:内閣官房「マイナンバー『社会保障・税番号制度』概要資料」
日本実業出版社『マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本』P137より一部抜粋



そのほか、企業のマイナンバーの運用状況は、特定個人情報保護委員会に監視・監督されることになります。
適切な安全管理措置が講じられていない場合、企業は労働基準監督署の是正勧告と同じように是正に向けた勧告を受け、この勧告に従わない場合には、2年以下の懲役または50万円以下の罰金といった罰則の適用を受けることがあります。


新しい制度の導入に不安はつきものですが、マイナンバー制度への対応は任意ではなく義務です。
同制度への認知と理解が急務といえます。

実務のポイントをより深く知りたい方は、日本実業出版社発行『マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本』をご活用ください。


マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本

マイナンバー制度の実務と業務フローがわかる本

2016年1月から本格的な運用が始まるマイナンバー制度の、業務フローと実務のポイントを、企業の総務・人事労務担当者の視点で解説。本書を手元に置いておくことで、マイナンバー制度を円滑に導入することができる。対応準備は、この1冊があればOK!

著者:社会保険労務士法人 名南経営

価格:¥1,728(税込)

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