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公開日:2015年1月16日

適切に対処していますか? 産前産後休業の申請から取得後までの実務ガイド 月刊「企業実務」 2015年1月号

佐佐木由美子(社会保険労務士)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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産休期間中の給与・税金とその手続き

産前産後休業中、法律上は給与の支払い義務は事業主に課されていません。
就業規則では、一般的に無給とするケースが多いといえるでしょう。
その代わりの生活保障として、後述する「出産手当金」制度があります。
給与については、一部支給がある場合など、会社ごとに取扱いが異なりますので、就業規則の規定を確認するようにしてください。
給与の支払いがない場合、その月の課税所得もありませんので、源泉所得税は発生しません。
ただし、住民税については、給与支払いがない月でも免除されることはありません。
住民税は前年(1月~12月)の所得に対して計算され、6月から翌年5月までの1年間で給与から天引きされる仕組みになっています。これを「特別徴収」といいます。
ただし、特別徴収を継続しても無給であると給与がマイナスになりますので、後日会社へ振込みをしてもらうなど、事前に取決めをしておく必要があります。
こうした労使双方の手間を省くために、通常は住民税を「普通徴収」に切り替えるか、あるいは、年度の残り分の住民税を一括徴収して支払います。
一般的に、産前産後休業からそのまま育児休業に入るケースが多いので、普通徴収へ切り替える手続きが適切といえるでしょう。


出産育児一時金と出産手当金の申請方法

妊娠4か月(85日)以上の女性が出産したときは、一児につき42万円(産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は39万円)の「出産育児一時金」が支給されます。

申請には次の3つの方法がありますので、事前に社員へ説明のうえ、会社として対応が必要となるかどうかを確認します。

(1)直接支払制度

出産前に被保険者と医療機関等が出産育児一時金の支給申請および受取りに関する契約を結び、医療機関が被保険者に代わって保険者(協会けんぽや健康保険組合等)に出産育児一時金の申請を行ない、直接医療機関が支給を受ける制度です。

このため、退院時に窓口で高額な出産費用を支払う必要がなく、経済的な負担が軽減されます。
直接支払制度を利用できるかどうか、事前に出産予定の医療機関に確認してもらいましょう。

(2)受取代理制度

出産育児一時金を被保険者が保険者へ事前に請求することにより、被保険者に代わって直接出産した医療機関に対して出産育児一時金等を支払う制度です。
直接支払制度との大きな違いは、事前の請求を被保険者自身が行なう点です。
この制度を利用できる医療機関等であるか、あらかじめ確認してもらいましょう。

(3)事後申請

これは従来からあるやり方ですが、被保険者が出産費用を医療機関等に支払い、その後、領収書等を添付して保険者に請求する方法です。
出産予定の医療機関で、直接支払制度、受取代理制度のいずれも利用できない場合は事後申請します(利用できる場合も事後申請を選択することは可能です)。

一方、産前産後休業中に無給となるケースは多いですが、その間の生活保障として健康保険制度から受けられる給付金が「出産手当金」です。
出産手当金は、出産日(出産が予定日より後になった場合は、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以降56日までの範囲内で、会社を休み給与の支払いがなかった期間を対象として支給されます。

支給額は、休業1日につき、標準報酬日額の3分の2に相当する額で、出産手当金より少ない給与が支払われているときは、その差額が支払われます。

出産手当金の申請は、産前・産後など複数回に分けることもできますが、実務上は産後休業を終了してからまとめて協会けんぽや健康保険組合等に申請する流れとなります。



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