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公開日:2014年12月16日

2016年から開始 「社会保障・税番号制度」(マイナンバー)で総務が押さえておくべきこと 月刊「企業実務」 2014年12月号

野田宏明(社会保険労務士・ITストラテジスト)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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【2】取得した個人番号の安全管理

会社にとっては、この安全管理が最も手間のかかる作業かもしれません。
マイナンバー法において、「個人番号をその内容に含む個人情報」は特定個人情報として扱われます。
個人情報保護法の規定よりもさらに厳格な規制が設けられており、その取扱いについては、細心の注意が必要です。
留意点は、次のとおりです。

(1)目的外利用の禁止

個人番号が利用できる範囲は、社会保障、税および災害対策に関する事務に限定されています。
これら以外の目的で利用することは、たとえ本人の同意があったとしても認められず、違法となります。
たとえば、個人番号を会社の社員番号として利用することは、この目的外利用に該当します。

(2)安全管理措置

マイナンバー法では、個人番号を取り扱うすべての企業に対して、個人番号の漏えい、滅失、毀損を防止するための安全管理措置を講ずることを規定しています。
具体的な対策としては、2014年9月に内閣府の特定個人情報保護委員会から「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」の素案が公開されました。
これによると、安全管理措置には図表2の対応が必要となります。

図表2 企業が講ずべき安全管理措置
ガイドラインは検討段階であり、確定したものではありませんが、取扱いについて具体的に記載されています。
以下、その概要を説明するとともに、特に影響が大きいと思われる事項について解説します。

まず会社は、組織としての基本方針を策定したうえで、「取扱規程」を作成する必要があります。
この規程では、個人番号の取得から破棄までの各段階における管理方法や責任者・事務取扱担当者の明確化とその役割等について定めます。
各段階における管理方法について、各安全管理措置に則った取扱い方法を規定することが重要です。

安全管理措置は、図表2にあるように各種側面から措置を講じるよう義務付けられています。
なかでも、給与計算ソフトなどに関係する内容については早めの準備が必要です。
具体的には、その業務に従事する担当者のみが個人番号を参照・利用することができるような仕組みを構築する必要があります。
社内の給与計算ソフトを様々な業務担当者が利用している場合、社会保険や税の業務に従事する担当者のみが個人番号にアクセスできる仕組みがあれば安心です。
システムとして細かなアクセス制御ができない場合は、個人番号を取り扱うパソコンを特定しておき、そのユーザアカウント機能などでログインできる担当者を制限するなどの方法も考えられます。

また、個人番号が正しく取り扱われているかを適宜確認する必要があります。
これには給与計算ソフト等を操作して行なった個人番号の照会、出力等について、そのログを記録する仕組み等が想定されます。
給与計算ソフトについては、個人番号の安全管理が義務付けられます。
自社で利用しているソフトについてどのような対応がなされるのか、事前に確認しておくべきでしょう。

なお、この安全管理措置は、中小規模事業者(従業員の数が100名以下の事業者)については、事務で取り扱う個人番号が少なく、また扱う担当者も限定的であることなどから、通常より簡易的な対応も可能とされています。
これらの規定についてはまだ流動的であり、引き続き情報収集が必要です。

(3)提供の求めの制限等

会社が個人番号の提供を求めることができるのは、マイナンバー法で限定的に規定されている税、社会保障、災害対策に関する事務に利用する場合のみです。
たとえば、過去に採用実績があるかどうかを調べるために個人番号を聞き出すようなことは、この規定に反します。
また、会社が保有している個人番号は、規定されている場合を除いて他人に提供することはできません。
たとえば、グループ会社に従業員が出向した場合、出向元の企業は出向先の企業に個人番号を直接提供することはできません。
別法人である以上、出向先の企業が出向者本人から個人番号を取得する必要があります。



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