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公開日:2013年10月16日

いろいろと注意点があります 派遣社員を直接雇用に切り替える場合の手続きガイド 月刊「企業実務」 2013年10月号

濵田京子(特定社会保険労務士)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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派遣終了後に雇用契約の締結をする場合

紹介予定派遣の場合は派遣期間が6か月以内と決まっているため、その派遣期間が終了するまでに派遣終了後に直接雇用をするかどうかを決めます。

平成24年の派遣法改正では、紹介予定派遣において、職業紹介する際に直接雇用後の業務内容、労働条件等をあらかじめ定めておくことになりました。
このため、原則として派遣契約が締結される時点で、諸条件を決定しておかなければなりません。

また、紹介予定派遣の場合は、あくまでも職業紹介事業者でもある派遣元事業主を介したやりとりです。
直接雇用に切り替える際も、派遣先事業主と派遣社員だけで決定するわけにはいかず、派遣元事業主を通じて申し入れることが必要になります。


派遣期間中に雇用契約の締結をする場合

紹介予定派遣については、最終的には派遣先事業主と派遣社員が雇用契約を締結することを目的とした制度といえます。

この目的をふまえて平成15年の法改正により、派遣契約期間中でも派遣先事業主と派遣社員が雇用契約を締結することが可能となりました。
したがって、紹介予定派遣に限っていえば、派遣契約期間中であっても雇用契約の締結は可能といえます。

一方、一般の労働者派遣については派遣契約期間の途中で派遣社員と雇用契約を締結するためには、派遣元事業主と派遣社員との雇用契約を解消させて、さらに派遣元事業主と派遣先事業主との労働者派遣契約を途中解除する必要があります。

このような行為をすると、派遣先事業主は派遣元事業主から債務不履行、不法行為による損害賠償の請求をされてしまうことも考えられます。
以上のことからも、派遣先事業主が派遣社員に対して直接雇用したいと勧誘することは控え、派遣元事業主と派遣社員との雇用契約が終了した時点で勧誘することが好ましいといえます。
ちなみに、直接雇用が決定した場合は、派遣元事業主が職業紹介事業者であれば、紹介手数料の支払いが必要です。

一方、派遣先事業主が派遣期間の終了後に、派遣元事業主を介さずに、派遣社員を直接雇用した場合には、紹介手数料を派遣元事業主に支払う必要はありません。


直接雇用に際して必要な確認事項

派遣社員を派遣先事業主が雇用する場合は、派遣期間の終了後であれば問題はありませんが、そもそもの派遣契約が一般の労働者派遣契約なのか紹介予定派遣なのか、契約内容をしっかり確認しておくことが重要です。

また、紹介予定派遣の場合は派遣契約締結の時点で紹介が予定されているため、あらかじめ派遣社員の履歴書を提出させることや面接を行なうことが可能です(一般の派遣労働者の場合は、履歴書の提出や面接は禁止されています)。

ただし、派遣契約の締結後に直接雇用となった場合の労働条件の明示については、職業紹介業務の一環となるため、派遣社員本人に直接ではなく、派遣元事業主を介して行なうようにします。
一般の派遣契約を経て直接雇用する場合は、派遣期間が終了したあとに本人に労働条件を明示することになります。
どちらの場合であっても、本人に説明する事項は単なる労働条件だけではなく、求められる役割や責任についての説明も十分に行ないます。

派遣社員にとってみると、派遣先事業主による直接雇用に変わったとしても、就労場所自体は変わりません。
このため、派遣社員として働くことと正社員として働くことの明確な区別がついていない可能性があります。

一方、直接雇用する派遣先事業主にしてみると、派遣社員と直接雇用する社員とでは、求める役割や職務、責任や権限がまったく異なります。
そのため、双方での誤解が生じないようにしておく必要があります。


社会保険・労働保険・税務関係の手続き

労働者が派遣先企業に直接雇用されると、いままで派遣元企業で加入していた社会保険や労働保険(労働者災害補償保険と雇用保険)については派遣先企業で加入することになります(労働者災害補償保険については、個人別の手続きは不要です)。

派遣元企業からの引継事項は特にないので、通常どおりの採用時の手続きとして社会保険と雇用保険の資格取得届を作成して届け出ます。

税務関係も新しく派遣先事業主に転職する形になるので、前職分(派遣社員であった期間で派遣元事業主から給与が支払われていた期間)の源泉徴収票を派遣先事業主に提出してもらい、年末調整処理に反映させることになります。
つまり、社会保険、雇用保険、所得税のすべては他の中途採用者と同じ扱いとなります。

就業場所は同じでも雇用関係は新規スタートとなりますので、有給休暇などの労働条件についても入社日を起算日として考えます。



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