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公開日:2012年11月16日

労基法違反にご注意! 「法定休日」の正しい設定・運用・周知のしかた 月刊「企業実務」 2012年11月号

鈴木豊子(特定社会保険労務士)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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法定休日と所定休日の割増賃金

では次に、毎週土曜日と日曜日を休日とした会社の、休日労働した場合の割増賃金について考えてみましょう。

図表2 どちらか一方に休日出勤した場合

図表2は、週休2日制で法定休日を特定していない会社のケースです。
土曜日に休日出勤しましたが、すでに労働時間が週40時間に達していますから、土曜日に働いた時間はすべて法定時間外労働として割増賃金の対象となります。

この場合、1日の所定労働時間が7時間に設定されていると、土曜日の労働時間の途中で40時間に達することになりますが、達する前の時間は通常の賃金、達した後の時間は割増賃金の支払いが必要となります。

割増率については、日曜日に休んでいるため、週1日の法定の休日を確保できていると考え、土曜日に出勤した分は、休日労働ではなく、週40時間を超える時間外労働として25%増しとなります。

このように、週休2日制で法定休日を特定していなくても、どちらかの休日に休めていれば、一方の休日に働いても35%増しの休日労働としてではなく、25%増しの時間外労働として処理することができます。

では、この会社が、法定休日を日曜日に特定している場合はどうでしょうか。土曜日は法定外休日ですから、時間外労働として25%増し、日曜日は法定休日労働として35%増しとなるので、実際、そのように処理している会社もあります。

しかし、土曜日に休み、日曜日に出勤した場合は、法定休日を特定していない会社に比べ、割増賃金が10%増えてしまいます。
法の趣旨を尊重するとともに、行政の指導に従って法定休日を特定した会社が、法定休日を特定せず曖昧にしている会社に比べ、賃金支払いで不利になるというのは妥当とは思えません。
法定休日と法定外休日の振替えが可能と考えれば、特定していない場合と同様の処理ができるものと思われます。

その場合には、就業規則で「法定休日は日曜日とする。ただし、会社は、業務上の必要に応じて、同じ週の土曜日を法定休日として振り替えることができる」と規定して、社員の理解を得ておくとよいでしょう。

このように、休日労働分と時間外労働分は分けて考えるため、35%増しの賃金を支払う法定休日に1日8時間以上働いたとしても、割増率は35%増しのままで25%を上乗せする必要はありません。

ただし、働いた時間が深夜の時間帯(22時から翌日の5時)にかかっている場合は、時間外、休日ともに、その時間については深夜割増の25%を上乗せして賃金を計算します。

図表3 法定休日前日から徹夜で仕事をした場合

図表3は法定休日を特定して、その前日から徹夜で仕事をした場合です。
この場合、前日の8時間労働は時間外労働にはならないとして、100%の賃金とします。

18時から22時までは通常の時間外労働で125%、22時から深夜時間帯に入りますから、さらに25%プラスして150%、暦日に合わせて、0時からは休日労働となり、35%+25%で160%の賃金となります。

5時に深夜時間帯が終わりますから、次の0時(24時)まで休日労働で135%となります(22時から0時は25%上乗せ)。

このように、時間ごとに割増賃金率は細かく異なりますが、法定休日を特定することによって、きちんとした計算ができるようになります。

図表4 2日とも休日出勤した場合

図表4は、土曜日と日曜日のどちらも休日出勤した場合です。法定休日を特定していない場合、土曜日と日曜日のどちらに、どの割増率を乗じるのかが決まっていないため、トラブルが生じやすくなります。



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