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公開日:2012年8月16日

種類、割増率、計算…ビジネスパースンのための「割増賃金」の基礎知識 月刊「企業実務」 2012年8月号

石井孝治(社会保険労務士)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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時間外・休日労働のケース別扱

(1)時間外・休日労働とされない場合とは?

所定労働時間が7時間の会社において、法定の8時間を労働させた場合でも、時間外労働にはなりません。

また、週休2日制を定めている会社において、そのうちの法定休日以外の休日(所定休日)に労働させた場合は、休日労働にはなりません。時間外労働と同じ扱いになります。

(2)時間外労働が継続して翌日の所定労働時間まで及んだ場合は?

時間外労働が継続して翌日の所定労働時間に及んだ場合は、翌日の所定労働時間の開始時間までの超過時間に対して割増賃金を支払うことになります。

その間、深夜の時間帯にかかれば、その分、加算されます。

(3)法定休日の前日の勤務が延長されて法定休日に及んだ場合は?

法定休日の前日の勤務が延長されて法定休日に及んだときは、法定休日の日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が、3割5分以上の割増賃金の支払いを要する休日労働時間となります。

その間、深夜の時間帯にかかれば、その分、加算されます。

(4)午後から出社し、終業時刻を過ぎても労働していた場合は?

実際に出社して働き始めた時間からカウントして、法定労働時間の8時間を超えた時点から割増賃金を支給すれば足ります。

割増賃金の計算の基礎から除外される賃金

割増賃金の計算の基礎となる賃金は、「通常の労働時間または労働日の賃金」であり、次の金額は除外されます。

  1. 家族手当
  2. 通勤手当
  3. 別居手当
  4. 子女教育手当
  5. 住宅手当
  6. 臨時に支払われた賃金
  7. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

1.~5.について、割増賃金の計算の基礎から除外されるか否かは、名称のいかんにかかわらず、実質的に判断されます。
たとえば、家族手当は、扶養家族数またはこれを基礎とする家族手当額を基準として算出した手当をいいます。
たとえ、その名称が生活手当や物価手当等であっても、扶養家族数によって算定される手当であれば家族手当に該当するので、割増賃金の計算の基礎からは除外されます。

しかし、家族手当と称していても、扶養家族数に関係なく一律に支給される手当や、一家を扶養する者に対し基本給に応じて額を決めて支払われる手当は、割増賃金の計算の基礎に算入しなければなりません。

通勤手当は、労働者の通勤距離または通勤に要する実費に応じて算定される手当で、原則として実際の距離に応じて算定されます。
しかし、一定額までは距離にかかわらず一律に支給する場合には、その一定額の部分は割増賃金の計算の基礎に算入しなければなりません。

住宅手当は、住宅に要する費用に応じて算定される手当です。住宅の形態ごとに一律に定額(たとえば、賃貸居住者2万円、持家居住者1万円など)で支給することとされているものは、割増賃金の計算の基礎に算入しなければなりません。

割増賃金の単価と計算方法

割増賃金の計算の基礎となる「通常の労働時間または労働日の賃金の計算額」とは、次の方法により計算した1時間当りの賃金額をいいます。

(1)時間給制の場合

時間によって定められた賃金については、その時間当りの金額となります。

(2)日給制の場合

日によって定められた賃金については、その金額を1日の所定労働時間数で除した金額です。

なお、変形労働時間制をとる場合や、平日の所定労働時間は8時間であるが土曜日のみ4時間である等のように、日によって所定労働時間が異なるときは、1週間における1日平均所定労働時間数で除した金額となります。

(3)週給制の場合

週によって定められた賃金については、その金額を週における所定労働時間数で除した金額です。
なお、週によって所定労働時間数が異なる場合には、4週間における1週平均所定労働時間数で除した金額となります。

(4)月給制の場合

月によって定められた賃金については、その金額を月における所定労働時間数で除した金額です。
なお、月によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1月平均所定労働時間数で除した金額となります。

(5)年俸制の場合

月、週以外の期間によって定められた賃金については、(1)~(4)のケースに準じて算定した金額が適用されます。

年俸制の場合は、年俸を12か月で除して月額賃金を算出し、これを1か月の所定労働時間で除した金額となります。

注意が必要なのが、年俸制の場合の賞与の取扱いです。
毎月支払部分と賞与支払部分を合計してあらかじめ年俸額が確定している場合の賞与部分は、「臨時に支払われた賃金」「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」には該当せず、賞与部分を含めて確定した年俸額を算定の基礎としなければなりません。

たとえば、年俸額を16等分して、毎月の支給は16分の1を月給分として支払い、夏と冬にそれぞれ16分の2を賞与として支払うようなケースです。
この場合は、賞与として支払う部分についても、割増賃金の算定の基礎になるということです。

(6)請負給制の場合

出来高払制その他の請負制によって定められた賃金については、その賃金算定期間において出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額をその賃金算定期間における総労働時間で除した金額となります。

なお、この場合は、算出した金額に、時間外労働時間数または休日労働時間数を乗じて得た額の、それぞれ2割5分以上または3割5分以上を支払えば足ります。

つまり、出来高払制の場合は、時間単価に対応する部分は、すでに賃金総額のなかに含まれているとされていて、支給すべき割増賃金額は、1.25または1.35ではなく、0.25または0.35で計算されます。



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