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公開日:2012年11月17日

全額損金から2分の1に 法人が支払う「がん保険」の保険料の経理処理 月刊「企業実務」 2012年11月号

入江順也(税理士)

企業実務TOPICS(経理・税務)


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平成24年4月27日以後に契約する、がん保険の保険料の取扱いが変更となりました。その概要と経理処理、今後の保険を利用した財務体質改善方法を解説します。

平成24年4月27日の国税庁通達により、法人が支払う終身がん保険の保険料の取扱いが変更となりました。その大きなポイントは、保険料の全額が損金算入可能と認められていたがん保険(解約返戻金が発生するタイプ)が、通達が出された4月27日以降分については2分の1のみ損金算入という取扱いとなる点です。

法人の加入するがん保険の取扱い

法人の加入するがん保険は大きく分けて2種類があります。

ひとつは、終身タイプのがん保険です。
月々の保険料が高いのがネックですが、解約返戻金があるため、事業計画に織り込むことが可能です。

もうひとつは、掛捨てタイプのがん保険です。個人用のがん保険の内容とほぼ同じものとなっており、こちらには解約返戻金がありません。

会社によっては従業員の福利厚生として法人契約をしているところもあります。
従業員が退職する際には、契約者の変更をすれば、個人としてそのまま加入し続けることが可能です。

従来、利益の出ている法人では、終身のがん保険が利益繰延手段として、よく利用されていました。

保険会社の勧誘のうたい文句は次のようなものでした。

「利益が出ているのであれば全額損金のがん保険を使って税金を減らしましょう。会社の業績が赤字のときに解約したら雑収入として利益計上できますよ」
「全額損金のがん保険を使って社長の退職金原資にしましょう」

法人としてのメリットは、もちろん保険料を全額損金にできた、ということです。

また、他の保険と比べて短期間に解約返戻金が高くなるということもメリットのひとつです。
今回の通達で、がん保険の保険料や解約返戻金の取扱いはどのように変わったのでしょうか。

(1)加入後前半期間は2分の1損金算入

保険期間の満期が設定されていない終身がん保険については105歳を満期日とみなし、保険加入時から満期日までを「税務上の保険期間」とします。

支払保険料は、税務上の保険期間の半分までの期間(前払期間)中では、2分の1を損金に、残りについては前払保険料として資産計上することになります。

前払期間経過後は各年の支払保険料の全額と、残りの期間に応じて前払保険料を按分した額を損金に算入することができます。
そのイメージを示したものが下図です。

損金算入可能な範囲のイメージ




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