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公開日:2018年8月23日

中小企業を揺るがす「働き方改革関連法成立」の影響と対策 月刊「企業実務」 2018年9月号

篠原宏治(社会保険労務士事務所しのはら労働コンサルタント 特定社会保険労務士)


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■働き方改革関連法の中身をチェックする

■喫緊に手当てすべき改正法への対応

■将来に備えて打っておきたい手立て


政府が先の国会で最重要法案と位置づけていた「働き方改革関連法」が成立し、7月6日に公布されました。
ここでは、同法の中身を確認しつつ、企業が取り組むべき対策について整理します。

働き方改革関連法の中身をチェックする


働き方改革関連法は、平成29年3月28日に公表された「働き方改革実行計画」の具体的な実現に向けて必要な関係法令を一括して改正したもので、次の8本の法律改正によって構成されています。

(1)労働基準法(以下「労基法」といいます)
(2)労働安全衛生法(以下「安衛法」といいます)
(3)労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(以下「労働時間等設定改善法」といいます)
(4)じん肺法
(5)雇用対策法
(6)労働契約法
(7)短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(以下「パートタイム労働法」といいます)
(8)労働者派遣事業の適正な運営の確保及び

派遣労働者の保護等に関する法律(以下「労働者派遣法」といいます)
働き方改革関連法の目的は、「働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等のための措置を講じる」ことであり、次の3つの観点から法改正が行なわれています。

【1】働き方改革の総合的かつ継続的な推進
【2】長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
【3】雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

主な改正事項とその施行期日をそれぞれ関連する目的ごとに整理すると、図表1のようになります。


図表1 働き方改革関連法の主な改正内容と施行期日


働き方改革の総合的かつ継続的な推進

働き方改革関連法の目的の1つめは、働き方改革に係る基本的な考え方を明らかにするとともに、国は、改革を総合的かつ継続的に推進するための「基本方針」(閣議決定)を定めることです。
ある特定の分野に関して国の制度、政策、対策に関する基本方針や原則などを示すために制定された法律を「基本法」といいます。
政府は働き方改革を「一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ」と位置付け、多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいくとしています。
働き方改革を一過性のものとすることなく長期にわたって総合的かつ継続的に推進するためには、基本的理念や方針を明確にした基本法を定めることが必要となることから、従来、雇用対策に関する基本法とされていた雇用対策法を「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」に改称し、法の目的や基本的理念を改正することによって、働き方改革を推進するために必要な労働施策全般にかかわる基本法に位置付けます。
本法は基本法であるため、企業に対して直接具体的な措置義務を課すものではありませんが、働き方改革は、本法の目的や理念に基づいて労基法や安衛法などの個別法において具体的な施策が講じられていくことになることから、国の方針を理解し、適切な対策を講じていくうえで、その内容を正しく理解しておくことが非常に重要となります(図表2)。


図表2 雇用対策法の主な改正内容

(続く)

企業実務



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