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公開日:2018年7月20日

“平成”後の総務・経理の存在価値はここにある! 月刊「企業実務」 2018年8月号

金明中(株式会社ニッセイ基礎研究所 生活研究部准主任研究員)


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【予測】これからの実務の仕事はどうなるのか

【提言1】経営者を支える存在としての自負を持て!

【提言2】迫りくる変化への対応を急げ!


少子高齢化の進展による労働力不足、働き方改革、AI等の技術の発展……。
平成が終わろうとしているいま、実務の世界は急激に変化している。
創刊800号にあたって、総務・経理担当者が目指すべきこれからの方向性と仕事のありかたについて考える。

【予測】これからの実務の仕事はどうなるのか


働き方改革やAIの進歩等にさらされるなか、これからの総務・経理部門の業務はどうなっていくのか、社会保障制度や雇用政策に詳しい金明中氏に予測してもらった。


労働力不足のなか求められる長時間労働の是正

日本企業は、すでに深刻な労働力不足に直面しています。
図表1のように出生率が下がっているなかで、生産年齢とされる15~54歳の人口は減少が加速しており、団塊世代の大量退職を迎えた2012年以降、ハイペースで減少しています。


図表1 合計特殊出生率の動向

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2060年の生産年齢人口は4,793万人と、総人口の約半分(51.6%)にまで減少すると見込まれています。

働き手の絶対数が減っていくなか、政府は、少子化を食い止めるとともに、これまで労働市場に参加してこなかった層の就労を促す「働き方改革」を推進しています。そのなかでも喫緊の課題とされているのが、「長時間労働の是正」です。
たとえ雇用が充足できていなくても、企業は労働時間を短縮していく必要に迫られているのです。
このジレンマを解決するヒントについて、金明中氏は次のように説明します。

「労働者の数や労働時間が減少すると、当然ながら、そのままでは労働の成果である付加価値も減少してしまいます。それを防ぐには生産性を上げるしかありません。そのカギとなるのが、資本量と技術の進歩です」

ここでいう資本とは、機械や生産設備を増設したり、より生産性の高いものに更新したりすることなどを表わします。
事務系の職種であれば、パソコンを速度や処理能力の高いモデルに更新したり、持ち歩きやすいコンパクトなモデルやタブレットなどの活用で、オフィス以外の場所でも仕事を進められるようにすることなどが考えられます。

一方、技術の進歩とは、まさにAI(人工知能)やRPA(業務自動化)といったテクノロジーの活用です。
これまで手作業だった業務を自動化したり、効率化を図ったりすることで、より少ない労働力で生産量を上げるための技術です。

金氏は生産性を客観的に評価する指標であるコブ=ダグラス型生産関数からも、技術の進歩による生産性の向上を説明できるとします(図表2)。


図表2 コブ=ダグラス型生産関数と働き方改革

労働力(L)が小さくなっても、資本(K)と技術進歩(A)、あるいはその両方を増やすことで、生産量(Y)を維持したり増やしたりすることが可能です。つまり、労働力不足のなかで働き方改革を成し遂げるには、AIやRPAといった分野への積極的な投資が不可欠であるといえるでしょう。すでにそうした技術が、管理部門で活用される例も登場しています。

たとえば、三菱総合研究所とマイナビは共同で、学生から送られるエントリーシートの内容をAIが評価し、その企業にマッチした優先度の高い学生を抽出したり、辞退可能性などを予測したりするサービスを提供しています。

膨大な数のエントリーシートが寄せられる大企業にとっては、新卒採用にかかる工数やコストを大幅に削減できるうえ、担当者の主観に頼っていた評価に客観性を持たせられると考えられます。

このように、これまで人間が担ってきた仕事をAIやロボットが代替することによって、生産性や精度の向上が見込まれます。

(続く)

企業実務



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