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公開日:2017年9月15日

資金調達の改善につながる「事業性評価」の高め方 月刊「企業実務」 2017年10月号

勢〆健一(あさひ法律事務所/弁護士)


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■これからの資金調達のカギとなる「事業性評価」とは

■自社の評価を高めるポイント

■担保を頼りにしない効果的な金融機関との交渉術


担保・保障の有無ではなく事業内容や成長性を評価することによって、中小企業の資金調達を判断するという方向性が打ち出されています。
「事業性評価」ではどういうところをみられるのか、どうすれば評価を高めることができるのかについてみていきます。

これからの資金調達は


事業性評価が求められる歴史的背景

「過去の実績や担保・保証に依存した融資」から、「事業内容や事業の継続性を評価した融資」に金融庁が方針転換しています。
その方針転換には歴史的背景があります。
1997年の山一證券などの経営破たんで、大企業や金融機関も倒産をするという状況のなか、金融機関がつぶれないよう財務体質を改善しようという方針が打ち出されました。
そこで問題になったのが、中小企業に対する金融機関のスタンスです。金融機関が自らの財務体質を改善するには、不良債権を減らすことが求められます。当然、回収リスクの低いところを選別して融資をする、というスタンスとなり、特に中小企業に対しては、決算書の内容に加えて担保や保証の提供をより強く求めるようになってきました。
そうした動きがリーマンショックなども相まって“貸し渋り”の問題として顕在化しました。中小企業の支援策として2009年に金融円滑化法が制定され、貸出条件が緩和されました。
そこで中小企業が金融機関に何を求められるようになったかというと、基本的にはリスケによって、返済を繰り延べることでした。
しかし、リスケによって苦しい中小企業が延命することができても、返済を繰り延べている間に経営体質を改善して利益を生み出す企業に生まれ変わる、というようなことにはなかなかつながらなかったのです。
金融円滑化法は何度か延長されましたが、2013年3月で終了することになりました。
金融円滑化法の終了後、リスケを依頼するにあたりそれほど求められなかった、「返済を一時的に繰り延べてもらえば事業を改善できる」ということを説明する資料、つまり事業計画を金融機関が求めるようになりました。
そんななか公表されたのが「経営者保証ガイドライン」です。
このガイドラインは、個人保証の提供が、新規に事業を起こしたり、事業承継したりする際の障害となっている面があることから、既存の保証契約の解除や新規融資の際の経営者保証に関するルールを明確化し、円滑な事業承継や新事業の創出につなげようというものでした。
新規融資をする際に「保証に頼らない融資」がうたわれていて、信用力の高い企業については保証は求めない、というのがガイドラインの主旨にあります。
さらに、事業性の重視という政府の方針がはっきりと現われたのが、2014年6月24日に閣議決定された「日本再興戦略」でした。このなかで「日本再興プラン」の具体策のひとつとして、「地域金融機関等による事業性を評価する融資の促進等」という文言が盛り込まれたのです。
また、企業が成長するための重点施策として「顧客ニーズに応える経営」「事業性評価に基づく融資等」が示されました(図表1)。


図表1 金融モニタリング基本方針で示された重点施策

(続く)

企業実務



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