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公開日:2017年7月19日

取引状況の改善に向けて 「下請法運用基準」の改正内容をチェックする 月刊「企業実務」 2017年8月号

高橋善樹(太樹法律事務所/弁護士・弁理士)


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■下請法運用基準の改正の内容と実務への影響

■下請取引における支払条件についての改正点

■取引状況の改善に向けて何をするべきか


政府は、経済政策の一環として下請法の運用強化を進めています。
昨年12月に改正された下請法運用基準等のポイントを押さえたうえで、取引先等との上手な交渉術について見ていきます。

下請法運用基準の改正の内容と実務への影響


政府は、経済の好循環を実現するためには、下請等中小企業の取引条件の改善が不可欠であるとして、平成28年8月2日の閣議で、下請法関連法規の運用を強化する方針を決定しました。

このような方針を踏まえ、平成28年12月14日、13年ぶりに「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」(以下、「下請法運用基準」といいます)が改正され、同日から施行されています。

本稿では、実務に最も影響のある下請法運用基準の主な改正点や実務への影響、下請代金の支払いがどう変わるか、また、中小の下請事業者にとって取引条件の改善に向けての留意点等についてみていきます。


下請法運用基準の主な改正点

(1) 違反行為事例の追加

下請法では事業主が行なうべき義務と禁止事項が明記されていますが(図表1)、実際の運用は、下請法運用基準と毎年11月に公表される公正取引委員会・中小企業庁の「下請取引適正化推進講習会テキスト」(以下「講習会テキスト」といいます)により行なわれてきました。


図表1 親事業者の義務と禁止行為

講習会テキストは、毎年若干改定され、下請法運用基準に記載されていない事項や事例についても触れられており、運用基準で示されていない部分を補完する機能を果たしているのが実態です。
今回の下請法運用基準の改正にあたっても、すでに講習会テキストで紹介されているようなケースが追加されている例が少なくありません。

下請法運用基準を理解するにあたっては、従来の運用と変わった点があるのか、あるいは新たな運用事例があるのかという視点が極めて重要です。

今回は、新たに事例が66から141に追加されました。

運用基準は、企業にとっては、下請法違反となる行為を見極める道標となるものです。

今回の改正で追加されたものをみると、過去の違反事例のなかで繰り返し違反が行なわれている事例、違反の原因のうち事業者からみて問題がない行為であると考えてしまいがちな事例、特定の場面で違反に陥りやすい違反行為事例などを追加することにより、事業者に注意喚起を図ろうとする意図がみられます。

また、運用基準を活用する事業者の立場に立って、違反行為事例に見出しが付されたり、「製造委託、修理委託」「情報成果物作成委託」「役務提供委託」の3分類で、事例が整理されたことにより、事例が重複する面もありますが、それぞれの分野の事業者に配慮した点がうかがわれます。

(続く)

企業実務



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