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公開日:2017年4月18日

「長時間労働」削減の取組みはこう進める 月刊「企業実務」 2017年5月号

編集部


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■長時間労働が発生してしまう要因を検証する

■このところ顕著になってきた、長時間労働削減の動き

■衛生委員会を活用した長時間労働削減の具体策


「長時間労働」の削減は、国が進める「働き方改革」の最優先課題です。
年間720時間の残業時間の上限規制が進むなか、中小企業では足りない人手でどう長時間労働をなくしていくか。具体的な手法について考えます。

長時間労働が発生してしまう要因を検証する


厚生労働省の『労働統計要覧』によると、2016年の日本企業の年間実労働時間は1724時間、年間所定内労働時間は1595時間となっています。1990年には、前者が2064時間、後者が1908時間でしたから、この30年近くの間にいずれも年間300時間以上も減少したことがわかります(図表1)。


図表1 年間実(所定内)労働時間の推移

では、アメリカ、イギリスなど先進諸国と比較してみましょう。アメリカ、イギリスなどの現在の年間実労働時間はおおむね1600~1700時間。ドイツの年間実労働時間は、1400時間を切るレベルになっています。

日本はアメリカ、イギリスはもちろん、時短先進国・ドイツとも歩調を合わせるように時短を進めてきたのですが、いまなお日本は「長時間労働」の国といわれ続け、問題視されています。

実は、こうした統計にはそれぞれの国特有の問題があります。

たとえばアメリカでは、いわゆるトップ10%に入るような稼ぎ頭のビジネスマンは、がむしゃらに働きます。収入も格段に高く、そのことが社会に承認されているのです。

それ以外の人は労働時間は明確に規定され、いわゆる定時出社・定時退社。ずっと同じ仕事を行ない、異動も転勤も昇進・出世もありません。

一方、日本の統計には、管理職が省かれ、パート・アルバイトといった非正規労働者も含まれた数字です。

しかも、アメリカのような働き方の極端な差はなく、主要な層は残業が多く、異動も転勤もあれば昇進・出世もある人たちです。

そこには、どのような課題があるのでしょうか。

かつての日本企業は、出世や昇給の見返りとして長時間労働を強いてきました。その体制を変革しないまま、年間の総労働時間を減少させてきたのです。

結果、見た目の労働時間は他の先進諸国と同様に削減したものの、そこに大きな影響を与える働き方・働かせ方の課題がかえって顕在化してきたわけです。この課題は諸外国との比較で語るべきものではなく、まさにそれぞれの「自国の課題」なのです。

どのような課題が顕在化してきたのか、列挙しておきましょう。

まず、経済状況とも密接に関連しますが、女性にとって専業主婦という選択肢が大幅に減り、共働き・共稼ぎが当たり前になってきたことです。

かつてのように、夫の収入だけでは家族の生計が維持できなくなってきました。共働きや共稼ぎが常態化すれば、それに応じた社会基盤の整備が必要ですが、いまのところ、十分に対応できていない現実があります。

さらに、時間も時間外手当もカウントしないような「サービス残業」も顕在化してきました。過労自殺や過労死という深刻な事態も起こっています。

労働時間の課題は、個人としては「限られた時間で最大限のパフォーマンスを発揮する働き方」が求められることになり、会社としては、「その筋道を明確に打ち出す」ことが欠かせない状況になっているのです。

(続く)

企業実務



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