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公開日:2017年3月23日

金利上昇は必定? 今後の金融機関の融資姿勢の変化にどう対応するか 月刊「企業実務」 2017年4月号

家森信善(神戸大学経済経営研究所教授)


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【解説】金融仲介の質向上に向けて始まった金融機関の方針転換

【対策】中小企業に求められる具体的な準備とは


現在の金利水準は史上最低が続いていますが、今後、上昇に転じる局面も予想されます。
ことしの金融機関の融資スタンスを占いつつ、中小企業に求められる準備について考察します。
(本記事は2017年3月7日現在の情報に基づいています)

金融仲介の質向上に向けて始まった金融機関の方針転換


金融機関の貸出スタンスの変化

まず、金融機関の貸出姿勢について確認しておきましょう。
日本銀行の『主要銀行貸出動向アンケート調査』では、主要銀行・信用金庫の貸出態度などを定期的に調査しています。ことし1月に公表された情報によると、中小企業の資金需要判断DIは図表1のように推移しています。


図表1 中小企業の資金需要判断DI

このDIは、中小企業の資金需要が増えていると感じる金融機関が多いほど、数値が大きくなるようにつくられています。
最新の調査によると、わずかですが2011年以来の高い水準になっており、資金需要が回復傾向にあることがわかります。
リーマンショック時の2009年に資金需要が大きくプラスになっているように、資金繰りが厳しいために資金需要が強まる場合もあります。このアンケートでは、資金需要が増えたと回答している金融機関にその理由を尋ねていますが、「設備投資の拡大」という理由が「資金繰りの悪化」よりも多いので、「良い」資金需要が増えていると判断できそうです。
この日本銀行の『主要銀行貸出動向アンケート調査』では、「過去3か月間において貸出運営スタンスをどのように変化させたか」についても尋ねています。それが、図表2に示した貸出運営スタンスDIです。


図表2 中小企業向けの貸出運営スタンスDI

このDIは、「積極化」した金融機関が多いほど数値が大きくなります。グラフで示したように、2016年初めまで中小企業向けの貸出スタンスは悪化が続いていましたが、この半年ほどは回復基調にあることがわかります。
図示していませんが、「今後3か月間において、貸出運営スタンスをどのように変化させる方針か」という質問にも、20%の金融機関が多少なりとも積極化させる方針であると回答しています。反対に、消極化方針の金融機関はありませんでした。
最近まで、住宅ローンや(相続税対策に関連した)アパートローンなどに力を入れていた金融機関が、再び中小企業貸出に目を向け始めている兆しが感じられます。
また、貸出条件についても、緩和的(貸出利ざやの縮小、信用枠の拡大など)との回答が増えてきています。
ただ、注意しておかねばならないのは、緩和の中心が上位格付けの顧客となっている点です。したがって、多くの普通の企業には、金融機関の対応に変化が感じられるほどの強い動きにはなっていないようです。

(続く)

企業実務



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