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公開日:2017年2月16日

中小企業こそ「春季労使交渉」の習慣化を図れ! 月刊「企業実務」 2017年3月号

若林忠旨(特定社会保険労務士)


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労使間コミュニケーションづくりの勧め

労使間で確認しておきたい事項

賃金政策のあるべき方向性と今春の賃上げ相場


中小企業では、労使対立型の「春闘」は少なくなりましたが、年に1度は交渉の場をつくって会社の問題点を洗い出したり、意思統一を図ったりすることが望ましいもの。労使間のコミュニケーションを考えます。
(本記事は2017年2月6日現在の情報に基づいています)

労使間コミュニケーションづくりの勧め


「春闘」の時期となりました。
もともと春闘は、「春季闘争」「春季生活闘争」などとも呼ばれ、その年の昇給額や賞与などの賃金、夏季休暇や労働時間などの労働条件について労働者と経営者の合意形成の場とされていました。
しかし最近では、「人事評価」制度を導入している企業も増え、成果を重視する経営スタイルも多くなっています。
また、非正規社員が4割近くを占めるようになったため、昇給や賞与を定期的に判断する機会がない企業も増えています。
こうした事情から、労使間の交渉の場がなくなっている企業も増えているのではないでしょうか。
筆者はこれまで数多くの労使間の問題に携わってきましたが、そこで強く感じることは、「労使間のコミュニケーション不足」がトラブルの要因になることが多い点です。残業代の未払いなど労働法令に違反している場合は論外ですが、コンプライアンス違反以外の労働問題は、たいてい些細なことが原因で起こります。長い期間、労使間で意思疎通が図れておらず、しかも初期対応でつまずくと、一気に問題が噴き出すことが少なくありません。つまり、会社内でコミュニケーションが取りにくい会社ほど、労働問題が起こりやすいといえます。
そこで、今回提案したいのが「春季労使交渉」です。これは、年に1度、労使間で話し合う場を設け、労働問題全般について包括的・個別的に胸襟を開いて交渉しようというものです。


中小企業における春季労使交渉のメリット

中小企業が春季労使交渉を行なうメリットは、次のとおりです。

(1)労使間の定期的な意見交換の場となる
(2)会社の意思を伝える場となる
(3)労働者の意見や不満を聞く場となる
(4)コミュニケーション促進の場となる

以下、これらについて解説していきます。

(1)労使間の定期的な意見交換の場となる

春季労使交渉の場は、労使間で意見交換を行なう絶好の機会となります。
「日常的に会話や報告ができるのに、何を改まって……」と思われるかもしれませんが、会社側が考えているほど労使間の意思疎通ができているケースは少ないのが現状です。
改まって労使間交渉の場を設ける目的は、単に交流や親睦を図るだけではなく、毎年、労使間で合意する労使協定をはじめとするさまざまな取決めを交渉する場を設けることです。そのために、まずは労使間で定期的に機会をつくり、話合いのテーマをきちんと設定するとよいでしょう。
図表1は、労働組合がある企業の労使間の交渉テーマについての統計です。かなり広範囲のテーマについて協議されていることがわかります。


図表1 労使間の交渉状況別割合

また、労使間交渉といっても包括的なテーマの交渉だけが目的ではありません。たとえば、有期契約労働者の契約更新をこの時期に合わせると、いままでバラバラに行なわれていた評価のフィードバックなどをまとめて行なうこともできます。

(続く)

企業実務



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