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公開日:2017年1月20日

信用力につながる「資金会計分析」のすすめ 月刊「企業実務」 2017年2月号

佐藤修一(税理士)


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決算書を中小企業の安定成長に役立てるには

「資金別貸借対照表」は従来と何が違うのか

資金面から自社の実力を示し、融資交渉等に活かす


企業の資金体質から経営分析を行う「資金会計分析」。
損益生産書の利益をベースに1年間の資金の流れを把握する「キャッシュフロー計算書」に対し、貸借対照表の繰越利益剰余金をベースとした「資金別貸借対照表」で資金の状態を把握する手法だ。
企業の「安全性」を見る1つの指標として、金融機関等から信用力の向上も期待できる管理会計について紹介する。

決算書を中小企業の安定成長に役立てるには


決算書や毎月の試算表は本来、税務申告を行なうためでも、金融機関から融資を受けるために作成するわけでもありません。現状をきちんと把握し、会社をよりよくするために用いるものです。
しかし、決算書等を構成している貸借対照表や損益計算書の数字をただ眺めるだけでは、経営の実態は見えにくいものです。
そこで、図表1のような各種指標による分析が必要となります。


図表1 経営分析の代表的な指標

項目ごとに分けたうえで、時系列で損益の推移を分析したり、同業他社比較などを行ないます。


キャッシュフローを把握することの重要性

近年の企業会計は、当期業績主義のもと、損益計算書が常に中心にあり、貸借対照表はいわば、財産目録のような位置づけでした。
そこへ登場したのが「キャッシュフロー計算書」です。
キャッシュフローとは「資金の流れ(出入り)」のことで、会社の活動を「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つに分け、1年間のそれぞれの活動にかかるキャッシュの増減が、どのような要因によってもたらされたのかを、損益計算書から把握します。
決算書を作成するうえで、減価償却の方法、在庫の評価、賞与引当金など決算処理や会計方針の違いにより、利益を変動させることはできますが、キャッシュだけは変動させることができません。
そこで、絶対値で信頼性のあるキャッシュをベースに会社を分析し、より安定したキャッシュの状態から、会社が飛躍するためのキャッシュの状態を描くことが可能となります。つまり、「キャッシュフロー経営」の目的は、大きく次の3つに分けられます。

(1)長期的・安定的な経営のため
会社を継続していくには、毎月の給与、諸経費の支払い、借入金の返済などが発生します。しかし、目先の資金繰りに不安がある場合、短期的な利益を追求し、顧客志向から自社の利益を重視した戦略にシフトしがちです。
そこで、長期的な視野をもち、安定的な経営を行なうには、キャッシュが必要になります。

(2)急な利益減少に備えるため
市場変化や景気変動、天災による外部要因による売上の急減と、原価の高騰や人材流出、設備トラブルなど内部要因による利益の減少に備えるため、キャッシュが必要となります。

(3)戦略先行的に投資を行なうため
競合の動きが速く、市場シェアをいち早く獲得したい場合など、戦略先行的な投資を求められることがあります。
スピーディーかつタイムリーな投資を行なうには、常に手元にキャッシュを準備しておく必要があります。

(続く)

企業実務



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