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公開日:2012年5月28日

株主総会・取締役会の不備(法違反)が招くリスクを徹底チェック 月刊「企業実務」 2012年6月号

湊信明(湊総合法律事務所 所長・弁護士)/野坂真理子(弁護士)/野村奈津子(弁護士)


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株主総会や取締役会は重要機関であるがゆえに手続き等に不備があった際のリスクは大きいもの。
本稿では取締役会が設置された株式会社を中心に、株主総会等の開催・運営をめぐる法規制について解説していきます。


企業における重要事項の意思決定において株主総会と取締役会は極めて中心的な重要機関です。会社法上も、その手続き・内容について様々な規定を定めています。

一方、中小企業では株主総会や取締役会を適法に開催しなければならないという意識が低く、法定の手続きに沿って行なわないケースがよくみられます。
形式的に議事録だけ作成する企業も珍しくありません。

しかし、株主総会や取締役会は重要機関であるがゆえに、不備があった際のリスクは甚大です。

株主や取締役間に争いがないときには、そのような不備はなかなか表面化しませんが、ひとたび争いが生じてしまうと、経営権を失った株主や取締役等から株主総会や取締役会決議の不備が取り上げられて問題となり、最終的に会社の根幹を揺るがす事態に発展することもあります。

また、実質的に株主総会や取締役会を開催しなかったことが明らかになると、世間から「あの会社はいい加減な経営をする会社」という印象をもたれてしまいます。
法令遵守違反で取締役個人の責任が追及され、損害賠償責任を負う可能性も否定できません。

そこで今回は、現在最もポピュラーな企業形態である取締役会の設置された株式会社を中心に、株主総会と取締役会の開催・運営をめぐる法規制について解説していきます。

株主総会の開催・運営をめぐるリスク

瑕疵のある決議はどうなるか

株主総会は、株主を構成員として会社の基本的事項について意思決定する必要的機関です。

株主総会では、法令に規定する事項または定款に定めた事項に限り決議することができます。

会社法上、取締役会設置会社において株主総会での決議事項とされている主なものは図表1のとおりです。これらについては、必ず株主総会決議を経なければなりません。

図表1 株主総会決議事項の例

では、株主総会の規定に反するような不備(瑕疵)があった場合、株主総会での決議の効力はどうなるのでしょうか。

その決議は適法なものではないのですから、一般原則からすれば無効となるはずです。
しかし、一旦なされた決議が当然に無効となると、株主、取締役、取引先等多数の関係者に大きな影響を与えかねません。

そこで、会社法では瑕疵の程度に応じて、

  1. 決議取消しの訴え
  2. 決議不存在確認の訴え
  3. 決議無効確認の訴え

という3種類の訴えにより、決議の効力を否定することを定めています(図表2)。

図表2 株主総会決議の暇疵に対する訴え

これらの訴えが認められると決議の効力が否定され、その決議は初めからなかったものとなってしまいます。
(続く)

企業実務



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