NJ Publishing Sales - NJ Business Online

経営・営業 | エヌ・ジェイ出版販売株式会社


【お知らせ】 月刊「企業実務」販売中!

Home経営・営業経営ワンポイント知識 ≫ 相続対策はどんな点に着目すればよいか?...
公開日:2011年11月15日

相続対策はどんな点に着目すればよいか? 

小池 正明(税理士)

経営ワンポイント知識


このエントリーをはてなブックマークに追加  

相続対策は、節税、支払税額の資金調達、円満相続の3つを実現させる観点からアプローチすることが大切。

相続対策の有無で税金額は雲泥の差

特別な相続対策をしなかったという史上最高の資産家、松下幸之助氏(松下電器相談役、平成元年4月死亡)の遺産額は2,449億円で、相続税は854億円。

生前贈与など徹底した節税対策を実行したのが山崎種二氏(山種証券会長、昭和58年8月死亡)で、生涯に1,000億円の財産を築いたといわれながら、遺産は38億円で、相続税はわずかに8億円。

相続対策をした人としない人の違いとしてよく比較されるが、では、私たちはいったいどんな対策を実行すればよいのでしょうか。まず、相続対策の基本的な考え方からみておきましょう。

相続対策の3原則とは

相続対策とはいうまでもなく、相続税の負担をできるかぎり少なくすること、これが第一です。いわゆる節税対策です。

しかし、これだけが対策ではありません。一定額以上の資産がある場合は、いかに節税対策を実行しても、相続税をゼロにすることは不可能です。

そこで、節税対策を講じながら、同時に納税資金の調達も手当てしていくことが必要です。実際に相続が発生しても、不動産などの資産処分をせずに納税ができるよう準備しておくわけです。

さらにもう一つ、重要な対策として、相続をめぐるトラブルの回避があります。現在の相続制度はいうまでもなく均分相続で、長男も次男も三男も、すべてに同等の権利が認められています。

このため、互いに権利を主張し合う相続争いは、枚挙にいとまがないほどです。また、被相続人に子がない場合の配偶者と兄弟の争い、先妻の子供と後妻の子供のトラブルなど、相続制度を基因とした紛争もよく見かけるところです。

したがって、現実の相続を想定し、そのときいかにスムーズな遺産分けをできるようにしておくか、を考えることは最も大切な相続対策といえるでしょう。

以上の考え方から、節税、資金調達、円満な相続、という三つを実現させることが理想的な相続対策といえます。

節税対策の考え方

さて、これらの対策の中で、当面最も関心が高いのは節税対策ということになろうが、相続税を少なくする、といってもいろいろな考え方があります。

生前贈与を確実に実行する

第一の考え方としては、相続財産の絶対量を減らしてしまうことで、対策の最も基本となるものです。

具体的には、生前の贈与を確実に実行していくことです。ただし、それに伴う贈与税の負担を考えると、単純な贈与の繰り返しにはおのずから限界があります。

そこで、税制の特例や課税のしくみを活用して贈与方法に工夫をこらす必要があります。たとえば、贈与税には配偶者控除という特例があり、2,000万円までの居住用不動産もしくは居住用不動産の取得資金の贈与であれば、贈与税は課税されません。

財産は不動産で持つ

節税対策の二つ目の考え方は、相続財産の評価額に着目するものです。財産は現金で持つより不動産に換えることが得といわれているのは、不動産の評価額と「時価」との違いがあるからで、こうした見方は、当然対策の中に取り込まなければなりません。

土地の開発手法として、等価交換や土地信託などがあり、相続対策としても有効だといわれるのは、財産の変換による評価額の圧縮をねらったものです。

債務控除を利用する

三つ目の節税策としては、債務は「時価」で控除されるという債務控除の活用です。借入金でアパートを建築するというのがまさにそれです。

ただし、債務の活用では、借入金の返済ができるかどうかが問題になります。相続税が少なくなっても、返済に苦しむのでは意味がありませんから、実行にあたっては、周到な準備と計画性がなければなりません。

いずれにしても、相続対策はいろいろな角度から検討し、それぞれの実態に応じた対策の立案と確実な実行がポイントになります。


このエントリーをはてなブックマークに追加  



PAGE TOP