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公開日:2011年8月16日

しくみは?有利な選択は? 在職老齢年金にまつわる基礎知識 月刊「企業実務」 2011年8月号

田端安隆(特定社会保険労務士)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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年金を受けられる人が60歳以降も働いていると、年金の一部または全額が支給停止となるのが「在職老齢年金」制度です。基本的な知識と、高齢者にとっての最適な判断・選択ポイントを解説します。


平成18年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、定年後65歳までの雇用確保措置が義務づけられました。
それから5年が経過しましたが、定年後の高齢者が企業の予想以上の成果を上げるケースがある半面、景気低迷により、若年労働者の雇用抑制につながる負の面も顕著になっています。

ただ、いずれにしても社会保障制度の逼迫から高齢者雇用を促進せざるを得ない環境であることには変わりありません。

企業としては、高齢者の長期雇用の環境変化に適応するための人事・賃金制度の整備が急がれます。

特に賃金制度に対しては、平成25年から段階的に60歳からの年金支給がなくなりますので、見直しの必要があります。

ここで、在職老齢年金をはじめとする公的給付を加味した賃金決定方法を確認し、再雇用賃金制度の考え方を整理しておきたいと思います。


在職老齢年金制度のしくみと留意点

高齢者雇用の促進のため、増大する人件費を軽減する制度として在職老齢年金や高年齢雇用継続給付金などの公的給付があります。
賃金額の決定に当たっては、この公的給付金と賃金との効果的な組合せを考慮して、労使双方の納得性を高める方法をとっている企業が多いようです。

この場合の収入は、

  • 賃金月額+在職老齢年金+高年齢雇用継続給付金

という構成となりますので、最も有利な収入を目指して労使相互にとっての最適賃金を算出するようにします。

1 在職老齢年金制度のしくみ

老齢厚生年金の支給構成は、

  • 老齢厚生年金=定額部分+報酬比例部分+加給年金

となります。

しかし、現段階では60歳から支給されるのは報酬比例部分だけであり、満額支給は65歳からとなります。

60歳以降に再雇用される高齢者は、賃金の額により年金支給額が制限されることになりますが、これが在職老齢年金です。

在職老齢年金を求める式は、

  • 在職老齢年金=基本月額-支給停止額

となります。

基本月額とは、60歳時の報酬比例部分の年金額の合計額の12分の1の額です。
支給停止額の計算式は図表1のとおりですが、総報酬月額相当額と基本月額の合計額が28万円以下であれば支給停止されることはありません。

また、65歳以上の支給停止額の計算では、基本月額と総報酬月額相当額との合計額が46万円以下の場合は全額が支給され、46万円を超える場合は、下記の計算式によって計算されます。

なお、ここでいう総報酬月額相当額とは、標準報酬月額に直近1年分の賞与額の合計額の12分の1を標準賞与額として加算したものとなります。

そのため、60歳時の標準賞与額は59歳現役時の支給賞与となるので、注意が必要です。

図表1 支給停止額の計算式



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