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公開日:2015年3月16日

職場のハラスメント対応 部課長のための「傾聴力」「指導力」講座 月刊「企業実務」 2015年3月号

坂本直紀(特定社会保険労務士・中小企業診断士)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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傾聴力を高めるために何をすべきか

部課長は得てして、自分の言いたいことや業務上の伝達事項は積極的に伝えようと努力しますが、部下がどう思っているか、何を考えているか、何を欲しがっているかを聞くことは二の次になりがちです。

会話が一方通行になれば、両者の考え方に齟齬をきたすことが多くなり、仕事も円滑に回らなくなります。

部課長は部下と誠実に向き合い、相手の考えていることを受け止められるように聴く能力を磨かなければなりません。この能力のことを傾聴力といいます。

以下、この傾聴力を高めるために何をするべきか、みていきます。

【1】部下との信頼関係を構築する

まず大前提として、部課長は部下と信頼関係を構築していることが非常に重要です。部課長と部下という立場の違いはありますが、結局は人間関係ですので、信頼関係が成り立っていることが前提となります。

この信頼関係の構築は、後述する指導力を発揮するうえでも大事になります。

信頼関係があれば、部課長も部下もお互いが誠実に向き合うことができ、部下は抱えている問題や相談したいこと等を話しやすくなります。こうした環境を整えることが、「傾聴」に役立ちます。

信頼関係が成り立っているケースでは、部下が部課長にはっきり意見を言えるものです。確認の意味でも、以下の内容をチェックしてみてください。

  • 部下が、部課長に対して自由に意見を言えていますか
  • 部課長は、部下から指摘され、間違いに気づいたときに認めることができますか

もしも、どちらも「否」となって信頼関係が構築されていないと感じる場合は、以下の取組みを継続的に行なって、良好な関係を築くよう心掛けましょう。

【2】会話の量を増やす

部課長は、部下の直面している課題を正確に把握し、仕事のやり方を適切に指導する立場にあります。
そのためには、日頃から部下とコミュニケーションを密にとり、部下との間の心理的な距離を縮めておく必要があります。

両者の心理的な距離を縮めるためには、まず、部下との会話の量を増やすことが重要です。つまり、適切な傾聴を行なうためには、「質」よりも「量」に重点をおきます。

たとえば極端な話ですが、2週間に1回、線密な話を1時間するよりも、たわいのない話を毎日10分でも部下と交わすほうが、心の距離は縮まります。

ただしこの場合は、部下の話を聴くことが中心です。部課長が一方的に話し続けて部下が頷いているだけでは、適切なコミュニケーションとはいえません。

部下の話を部課長が熱心に聴いているだけでも、部下は「部課長から認められている」という実感があるものです。

【3】アクティブ・リスニング

前述のとおり、部下との会話においては話すことよりも聴くことのほうが重要ですが、その際、アクティブ・リスニング を心掛けるとよいでしょう。

アクティブ・リスニングとは、カウンセリングにおけるコミュニケーション技法の1つで、積極的傾聴といわれるものです。
アクティブ・リスニングの特徴は、部課長が部下の話す内容をただ聞き流すのではなく、部下の発言のなかにある事実を把握するとともに、その本質を明確にすることです。
そのうえで、部下自身が問題解決できるように手助けするのです。

たとえば部課長は、部下の発言のポイントをとらえて、そのまま繰り返します。

具体的には、部下が「いまの仕事が辛いんです」と言った場合、部課長は「仕事が辛いんだね」と返します。

部下が使った言葉を部課長も使うことによって、相手は「自分の話を受け止めてくれた」と強く感じることができます。

また、あえて意見は挟まず、「あなたはなぜ、そう思ったの?」「それは○○という意味?」と一歩突っ込んだ質問を投げかけたり、「それは大変だったね」と共感を示したりしながら、部下から聴いた内容を踏まえて適切にフィードバックすることも有効です。

こうした対応をとることで、部下には心を開いて話したくなる気持ちが芽生え、また、自分の発言を他人の言葉として聞くことで、自分自身を客観視することもできるようになります(図表2)。

図表2 アクティブ・リスニングの具体例



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