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公開日:2013年9月16日

特に若手の間で増加中 「非定型うつ病(新型うつ)」に会社はどう対処するか 月刊「企業実務」 2013年9月号

茅嶋康太郎(産業医科大学/産業医実務研修センター副センター長)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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若手社員を中心に増加中の非定型うつ病(新型うつ)。
上司や同僚等からみれば「仮病?」と不信感を募らせるケースも少なくありません。
その対応策を確認します。


若手社員を中心に、従来のうつ病のカテゴリーに属さないタイプの非定型うつ病が増えてきており、企業の人事・労務担当者を悩ませています。

このなかに、単なるわがままなのか病気なのかの区別が難しいタイプがあり、巷では「新型うつ」と呼ばれています。具体的には、

  • 会社の仕事は思うに任せないのにプライベートでは元気
  • 自責感に乏しく、他罰的(不調を仕事のせいだと主張する等)で、何かと会社や上司とトラブルを起こす

などが典型例で、本人は体調不良を訴えますが、上司や同僚から見れば「仮病ではないか?」と疑いたくなるようなケースです。

ここでは非定型うつ病のなかでも特に新型うつに焦点をあて、その症状や会社としての対処方法について解説します。

なお、新型うつへの対応は、企業の方針や個々の事例の状況により変わってきます。

私が産業医として関わる場合にもアドバイスの仕方はケースバイケースですが、本稿では、発症した社員の精神構造やバックグラウンド、発症原因を客観的に分析し、「相手の立場に立った」うえでどのように対応することができるか、という視点で記述したいと思います。


新型うつの概要と主な症状・特徴

まず、この「新型うつ」は「新型うつ病」ではありません。
うつ病学会でも正式な「病気」としては認定されていません。
症状が人によって様々であり、「さぼり」や「怠け」に見える、抗うつ薬も効かず、根本的な原因が本人の性格や人格形成の未熟性によるもので、「病気ではない」との見方があります。

しかし、抑うつ、意欲の低下、不眠や睡眠過多等の「うつ症状」によって出勤できなくなるため、病院を受診すると「うつ病」の診断書が出されます(おそらく非定型うつ病との診断)。

病気かどうかははっきりしないがうつ状態にある、しかし、これまでのうつ病の人とは明らかに様子が違う、会社としても対応がすごく難しい---ということで「新型うつ」という状態名で社会的問題になっています。

従来型のうつ病は、働き盛りの労働者が過重労働のため疲労が蓄積してエネルギー切れしたり、仕事上の困難やストレスにさらされて燃え尽きる形で発症するのがパターンでした。

仕事に対する姿勢は粘り強く、自分を犠牲にしてでも会社のために一生懸命働きます。何事にもきっちり取り組み、きまり事や秩序を大事にします。
その割に(そのせいか)自分の不調には気づきにくく、燃え尽きてうつ症状が出て、仕事のパフォーマンスが落ちても「できない自分が情けない」と自分を責めます。

このような定型的うつになりやすい性格を「メランコリー親和型」や「執着気質」といいます。

産業医が病院受診を勧めても、「仕事を休めない」「家族に心配をかける」と言って、なかなか言うことを聞いてくれません。

これに対し、新型うつは若い世代に多く、性格的には自己愛が強いのが特徴です。
自分の気持ちや事情を重視し、会社の立場を考えません。
自分の会社への貢献度もあまり気にせず、「会社が自分に何をしてくれるか?」を常に気にしています。

自己中心的でわがまま、依存心が強い、自己顕示欲・自尊心が強く、傷つきやすい、思ったことをハッキリ口にする等の特徴があります。

このような性格を「ディスチミア親和型」といい、非定型うつ病になりやすい病前性格とされています。

両者の特徴の違いをまとめると下表にようになります。

新型うつの人は自分の「うつ病」の診断に協力的です。
具合が悪くなると、自分で病院を受診し、診断書を書いてもらい、「うつ病になったので会社を休みます」と言うケースが多いようです。
自責の念がなさそうで、自分の体調不良の原因を、会社や他人のせいにする傾向があります。

「メランコリー親和型」と「ディスチミア親和型」の比較



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