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公開日:2013年8月16日

勘違いや例外多し 社会保険の「扶養・被扶養」に関する疑問に答えます 月刊「企業実務」 2013年8月号

石井孝治(社会保険労務士)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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社会保険で給付が行なわれる「被扶養者」については、本人の収入や生計維持関係など一定の基準があり、判断に迷うことが多いもの。
実務担当者が押さえておきたい基礎知識を解説します。


社会保険は大きく分けて健康保険と公的年金を指しますが、「被扶養者」について詳しく規定しているのは健康保険の制度においてです。

公的年金については、健康保険の基準を準用する形になるので、ここでは主に健康保険の被扶養者の基準について解説し、公的年金(第3号被保険者の要件)についてはその手続き関係と含めて紹介します。

なお今回は、組合健保については組合ごとにルールが異なる部分があるので、協会けんぽについて解説します。


判断に迷う被保険者の具体的判断

被扶養者を説明する前に、被保険者についておさらいしておきましょう。

被保険者とは、適用事業所に使用される者をいいます。被保険者の具体的判断で、間違えやすいものは次のとおりです。

法人の役員

法人の理事、監事、取締役、代表社員および無限責任社員などいわゆる法人の代表者または業務執行者で法人から労働の対象として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者資格を取得できます。

なお、法人ではない社団または組合の総裁、会長および組合長などその団体の理事者の地位にある者、または地方公共団体の業務執行者についても同様の取扱いとなります。

個人経営の事業所の事業主

個人経営の事業所の事業主は、使用される者ではないので被保険者とはなりません。

実習・見習い社員

卒業後、就職を予定している事業所で職業実習を行なう者は、事実上の就職と解されれば被保険者となります。

パートタイマーなどの短時間労働者

パートタイマーなどの短時間労働者は、1日または1週間の所定労働時間、1か月の所定労働日数がそれぞれその事業所において同種の業務に従事する通常の就労者のおおむね4分の3以上であれば被保険者となります。


被扶養者として認定される範囲とは

被保険者の収入によって生活している家族は、被扶養者として健康保険の保険給付を受けることができます。
ただし、家族なら誰でも健康保険の被扶養者として認定されるというものではなく、一定の要件を満たすことが必要です。

被扶養者の範囲は、次の2つのグループに分類されます。

(1)主として被保険者によって生計維持されていればよいグループ(被保険者と同居・別居いずれでもよい者)

この「主として被保険者によって生計を維持」されている者とは、主として生活に必要な費用が被保険者によってまかなわれている、すなわち、被保険者が得る収入によってその人の主な暮らしが立っているということです。

具体的には、次の者が含まれます。

  • 配偶者(内縁関係でもよい)
  • 子(養子を含む)、孫、弟妹
  • 父母、祖父母などの直系尊属

(2)主として被保険者によって生計を維持され、かつ、その被保険者と同一世帯に属していなければならないグループ(被保険者と同居していることが条件の者)

この「同一の世帯に属する」とは、被保険者と住居および家計を共にすることをいいます。
この場合、同一戸籍内にあることは必ずしも必要とせず、また被保険者が必ずしも世帯主であることを必要としません。

具体的には、次の者が含まれます。

  • (1)以外の3親等内の親族(兄姉、伯叔父母、甥姪などとその配偶者、孫・弟妹の配偶者、配偶者の父母や子など)
  • 内縁関係の配偶者の父母および子
  • 内縁関係の配偶者死亡後の父母および子

なお、次の場合は、いずれも一時的な別居にすぎないので同一世帯に属するものと認められます。

  • 転任に伴い新任地における住宅事情のため2、3か月別居している場合
  • 被扶養者が病気のため入院している場合
  • 被扶養者が一定の施設などに入所している場合

図表1 被扶養者の範囲(3親等内の親族図)



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