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公開日:2013年1月16日

改正法の施行、主な検討項目など 2013年の労働法関連の注目トピックはこれだ! 月刊「企業実務」 2013年1月号

中島成(弁護士)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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近年、広い範囲で労働法関係の見直しが進んでいますが、いずれも中小企業に影響するものばかり。それら見直しのなかで注目すべきポイントを解説していきます。


2013年中の施行が決定している事項

(1)労働契約法

「労働契約法の一部を改正する法律」が、2012年8月10日に公布されました。

労働契約法は、労働契約における使用者・労働者の対等性を基本として、労働契約の成立・変更、懲戒や解雇、有期労働契約などについて定めています。今回の改正によって、

  1. 有期労働契約の期間の定めのない労働契約(以下「無期労働契約」といいます)への転換
  2. 更新拒絶(雇止め)の制限
  3. 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止

の3点が変更されました。

このうち、2は2012年8月10日からすでに施行されており、1、3は2013年4月1日から施行されます。

有期労働契約で働く労働者については、パート、アルバイト、契約社員など様々な呼称がありますが、有期労働契約で働く労働者であればすべて今回の改正ルールの対象となります。

【1】無期労働契約への転換

図表1 無期労働契約への転換同一の使用者との間で締結された2回以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間が5年を超える場合に、その有期契約労働者が使用者に対して、締結している契約期間が満了する日までに無期労働契約の締結の申込みをすれば、使用者がその申込みを承諾したものとみなされることになりました(図表1)。

その結果、締結している有期労働契約期間が満了する日の翌日から、この無期労働契約に基づく労働が始まることになります。2回以上の契約期間が通算されて5年を超えることが条件ですから、1回だけの契約期間が労働基準法の5年を超える有期労働契約はこの要件を満たしません。

“5年のカウント”は2013年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象です。施行日前に開始している有期労働契約は5年のカウントに含まれません。

したがって、有期契約労働者が使用者に対して無期労働契約の締結を申し込めるようになるのは2018年度以降になります。

また、同一の使用者の下で働いていない期間が6か月以上継続した場合は、その期間より前に終了していた有期労働契約期間は5年のカウントに含まれません。

この点に関連して、無期転換申込権を行使しないことを有期労働契約の更新条件としたり、有期契約労働者にあらかじめ無期転換申込権を放棄させることはできません。そのような条件や放棄の意思表示は公序良俗に反し、無効と解されます。

無期労働契約への転換は、期間の定めだけを変更するもので、その他の労働条件は直前の有期労働契約と同一です。もちろん、使用者と労働者の間でその他の労働条件を変更することは可能です。

なお、期間の定めだけが変更された場合も、その他の労働条件が一緒に変更された場合も、無期労働契約への転換は新たな労働契約のスタートですから、使用者はその労働者に労働条件を書面で明示する必要があります。

【2】更新拒絶(雇止め)の制限

次のような雇止めについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当なものであることが必要とされました。

  • 有期労働契約が反復して更新されたことによって雇止め(労働契約の更新拒絶)が解雇と同視できる場合
  • 労働者が更新を期待することに合理的な理由がある場合

この改正は、これまで積み重ねられてきた判例の内容が採用されたものです。

また、労働基準法施行規則も改正されました。有期労働契約の継続・終了に関する紛争を防止するため、労働契約締結時には契約期間とともに更新する場合の基準を書面で明示しなければなりません。

たとえば、

  • 契約満了時の業務量で判断する
  • 労働者の勤務成績や態度で判断する
  • 労働者の能力で判断する
  • 会社の経営状況で判断する

などになります。

なお、判例は、労働契約当事者が期間満了により契約期間が終了すると明確に認識している場合、当然に契約期間が終了するとして、雇止めの効力を認める傾向にあります。

無期労働契約への転換を予定せずに有期労働契約を締結する場合は、その労働者との最初の契約のときに更新はないことを明示的に文書で合意しておくべきです。

【3】不合理な労働条件の禁止

有期契約労働者の労働条件と無期契約労働者の労働条件に相違がある場合、労働契約が有期であることに基づいた不合理な労働条件を設定することは禁止されます。

具体的には、賃金、労働時間、災害補償、服務規律、教育訓練、福利厚生等に関し、有期であるゆえに無期よりも不合理な条件を設けることはできません。

不合理か否かは、業務内容や業務に伴う責任の程度、その他の事情を考慮し、個別の労働条件ごとに判断されます。

とりわけ、通勤手当、食堂の利用、安全管理などについて労働条件を相違させることは、特段の事情がない限り、合理的とは認められないと解されます。

不合理な労働条件の定めは無効とされ、その点に関する有期契約労働者の労働条件は無期契約労働者と同じになります。



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