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公開日:2011年3月16日

いつでも起こり得る! 取扱製商品に欠陥・不良があったときの初期対応の心得 月刊「企業実務」 2011年3月号

中川照也(中小企業診断士)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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どんなに品質管理を強化しても、欠陥・不良のある製商品が消費者や取引先に届くリスクをゼロにすることはできません。トラブルは起こり得るという前提で、いざというときの対応策を考えておくことが必要です。


製商品の欠陥・不良と企業に課せられる責任

取扱製商品の欠陥・不良が発覚したとき、企業には様々な責任が問われます。

良品を引き渡す責任

第一に、製商品の売買契約が成立すると、製商品の売主には製商品の代金と引換えに、製商品の引渡し債務が発生します。
買主と合意した品質に達していない場合、その製商品は不良品であり、良品にして引き渡す責任が売主に発生します。

この不良品を良品にする責任は、売買契約のないところには発生しません。
「メーカーA→小売店B→消費者C」という流れで製商品が売買された場合、消費者Cに対してメーカーAが直接責任を負うわけではありません。

たとえば、小売店Bが店頭陳列時に製商品を落下させた結果、不良品となってしまった場合を考えるとわかりやすいでしょう。
その場合、製商品の品質を低下させたのは小売店Bであるわけです。

PL法による製造物責任

メーカーや輸入業者の場合、直接売買していない消費者に対して責任を負う場合もあります。
製造した製商品に欠陥があったとき、メーカー(輸入業者)は、製造物責任法(PL法)による損害賠償責任を負います。
PL法上の「製造物」とは、「製造・加工された動産」のことをいいます。

不法行為責任

一方、不法行為責任は製造物かどうかに関係なく発生します。

バスの運転手が居眠りをして事故を起こし、乗客がケガをした場合、仮にそのバス会社は乗客ではなく旅行代理店が契約したものだったとしても、乗客に対する不法行為による損害賠償責任がバス会社に発生することになります。

業界関連の法令を遵守する責任

製商品を売買する当事者の間で発生する責任以外にも、食品加工業における食品衛生法上の(添加物などの)表示義務など、それぞれの業界に関連する法令があります。
法令を遵守していない製商品を製造販売した場合は、広い意味での欠陥品・不良品を製造販売したことになり、民法上のみならず、場合によっては刑法上や行政上の責任を負うことがあります。

道義的な責任

法的に責任がなくとも道義的な責任が発生する場合もあります。
ゼリータイプのこんにゃくの安全性について争われた裁判で、第一審ではメーカーが勝訴しましたが、製品を喉に詰まらせる事故を防ぐ努力をメーカーがまったくしなくてよいかどうかは別の話です。

大規模な全品回収をせざるを得ないような不良品が発生しなくても、部分回収に至る品質事故や、個別にクレームのあった顧客に対して新品交換をせざるを得ないような不良品対応は、多少なりとも普段から発生しているものです。

品質管理の側面で捉えれば、重大事故の防止のためには、事故の発生が予測された段階すなわち不良に至らないクレームの件数を減らしていく必要があります。
つまり、欠陥・不良の発生情報について、設計や製造部門に常にフィードバックすることも求められます。



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