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公開日:2011年12月16日

新任・若手管理職のための労働法レッスン 労働契約 月刊「企業実務」 2011年12月号

岡正俊(弁護士)

企業実務TOPICS(総務・人事)


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使用者は、労働者との間で労働契約を結びますが、会社にとって都合のよい条件で、一方的に契約できるわけではありません。今回は、労働契約について知っておきたいことを紹介します。


労働契約とは何か

図表1 労働契約の成立

労働契約とは、簡単にいうと使用者と労働者との約束で、通常は「雇用契約」と同じと考えても差し支えありません。

通常、「契約」の内容は当事者の間で自由に決めることができます。しかし、使用者と労働者の間の労働契約の内容は、当事者が自由に決定・変更できるわけではありません。

前回お話ししたように、労働基準法に定められた最低基準の労働条件を守らなければならない、などといった制約があるからです。

労働契約がどのようにして成立するのか、図表1に基づいて説明しましょう。

労働契約は、労働者(あるいは使用者)の申込みの意思表示と、使用者(あるいは労働者)の承諾の意思表示が合致することで成立します。

具体的に説明すると、使用者がハローワークやインターネット等で「給与…月給20万円、業務内容…一般事務」といった条件で求人募集をしたとします。

これに対する労働者の応募が申込みの意思表示となり、面接等の選考を経て使用者が労働者に対して行なう採用決定通知が承諾の意思表示になります。これで労働契約が成立するわけです。

いま挙げたのは、労働者から申込みの意思表示がある場合ですが、反対に、使用者から労働者に申込みの意思表示をするケースもあります。たとえば、他社から技術者をスカウトして引き抜く場合などがそうです。

なお、労働契約の成立ということに限っていえば、契約書を作成する必要はありません。

採用試験を受けた人に対して、電話などで内定の連絡をすれば、特に文書を交わしたりしなくても、その時点で労働契約が成立したことになるのです。


労働契約法について押さえておくべきこと

労働契約に関連する法律として、平成20年3月に「労働契約法」が施行されました。

前回、労働契約法について、「いわば未完の法律であり、いままでの裁判例の枠を超えるものではない」と書きました。しかし、労働契約に関する重要な法律であることに変わりはありませんので、ここで少しくわしくみていくことにしましょう。

労働契約法は、労働者と使用者の自主的な交渉のもとで、労働契約が合意により成立し、または変更されるという合意の原則やその他の基本的事項を定めることにより、労働者の保護を図り、個別の労働関係を安定させることを目的としています。

労働契約の原則(基本的なルール)について、労働契約法3条では次のように規定しています。

  1. 労働契約は、労働者と使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、または変更すべきものとする
  2. 労働契約は、労働者と使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、または変更すべきものとする
  3. 労働契約は、労働者と使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、または変更すべきものとする
  4. 労働者と使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に権利を行使し、義務を履行しなければならない
  5. 労働者と使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならないこと

また、労働契約法6条では、労働契約の成立について、「労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者と使用者が合意することによって成立する」と規定しています。

そのほか、労働契約の変更・継続・終了に関すること、期間の定めのある労働契約などについても規定されています。

全部で19条からなるコンパクトな法律なので、新任・若手管理職の皆さんも、一度条文をチェックしておくとよいでしょう。



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