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公開日:2014年12月17日

国内とは異なる点に注意 役員・社員が海外出張をしたときの間違いのない経理処理 月刊「企業実務」 2014年12月号

檜田和毅(公認会計士・税理士)

企業実務TOPICS(経理・税務)


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海外出張は、国外で業務がなされることから、会社のコントロールが効きにくくなるだけでなく、支出の管理や会計処理について注意を要します。
海外出張にかかる税務について解説します。


海外出張と海外赴任の区別の基準として、厚生労働省は、海外出張者を“単に労働の提供の場が海外にあるにすぎず、国内の事業場に所属し、その国内の事業場の使用者の指揮に従って勤務する人”と定義し、労災保険の適用範囲を明確にしています。
すなわち、社員の所属、およびどこの指揮下にあるのかで判断することとされています。
一方で税務上は、各経費の損金経理の可否や、日本法人と海外子会社のどちらが負担すべき経費なのか等について、あくまで個々の状況に応じて判断することとしています。つまり、海外出張か海外赴任かが判定を左右することはあまりないように考えられます。

旅費交通費は損金計上できるが国内か国外かに注意

役員や社員が海外出張をした場合は、その旅費、宿泊費、出張手当などは、通常必要と認められる範囲において、旅費交通費等として損金計上できます。

これらは旅費交通費等の支給のため所得税法上は非課税であり、給与と一緒に支給したとしても源泉徴収の対象には含まれません。
旅費交通費のうち、国内における移動にかかった分については消費税法上の課税取引となります。その他の現地への飛行機代や宿泊費、出張手当については課税取引に該当しません。

また、手土産等の購入費用は交際費に該当しますが、日本国内で購入した場合は課税仕入れに該当し、空港内の免税店や機内販売、現地で購入した場合は課税仕入れに該当しません。

消費税においては、物品の購入や役務の提供がどこでなされているのかで課税取引か否かの判断を行ないます。
日当は海外への出張においてなされる業務への対価であることから、その役務の提供は海外であると考えられ、消費税の処理上は課税仕入れに該当しません。

海外出張手当については、一般的に、その支給の名目は海外への渡航準備のための支度金であり、その消費は日本でなされることが多いと考えられますが、これはそもそも給与の一部を構成する加給金の1つです。
よって、海外出張手当は消費税の処理上、課税仕入れには該当しません。
これらの税務上の原則的な取扱いをまとめたのが図表1です。

図表1 海外出張旅費等の税務上の取扱い
ただし、旅費や出張手当等について、通常必要と認められる範囲を逸脱して支給された場合には、その逸脱した部分は給与と判断される可能性があります。

支給が役員に対するものであった場合には、当該役員報酬は定期同額給与の要件を満たさないため、損金計上が認められません。

支給が社員に対するものであった場合には、法人税法上の所得の計算上は大きな違いは生じないと考えられますが、旅費交通費が給与であると認定されるため、社員の所得税が増える可能性があります。

また、後で給与であると判断された場合は、会社に源泉徴収義務違反があったと判断され、修正申告が必要となり、追徴課税されてしまう可能性があります。

さらに、交通費ではなく給与と認定された場合には、仕入税額控除に含めることができないため、消費税の納税額も変わってしまう可能性があります。
この場合も納付すべき税額が増えます。




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