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公開日:2014年8月17日

「貸倒損失」のキホンがよくわかるQ&A 月刊「企業実務」 2014年8月号

岡本博美(税理士)

企業実務TOPICS(経理・税務)


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貸倒損失は、債権の回収ができなくなった際に、その損失金額を管理するための勘定科目です。
ここでは、実務上、貸倒損失として計上できるケース、できないケースについてみていきます。


貸倒損失の概要と実務上の取扱い

【Q】どんなときに貸倒損失として計上できるのか。

【A】法人がもつ金銭債権(売上債権、貸付金、未収金、立替金、前渡金など)について、たとえば取引先の業績悪化等で、法的に債権が消滅した場合や回収不能な債権がある場合、その金額を貸倒損失として計上します。

損益計算書における貸倒損失の処理方法としては、次の3つの方法があります。

  1. 営業上の取引に基づいて発生した債権に対するものについては、販売費として処理する
  2. 臨時かつ巨額のものについては、特別損失として処理する
  3. (1)(2)以外のものについては、営業外費用として処理する

【Q】税務上、貸倒損失に関する基本的な取扱いとは。

【A】貸倒損失の税務上の取扱いは、基本的に次のとおりとなります。

(1)法律の規定による貸倒れ

法人がもつ金銭債権について、図表1にある事実が発生した場合には、それぞれに掲げる金額は、その事実の発生した日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入します。

図表1 法律の規定による貸倒れ

(2)事実上回収不能の金銭債権の貸倒れ

法人がもつ金銭債権について、図表2にある事実により回収不能が明らかになった場合には、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理をすることができます。

図表2 事実上回収不能の金銭債権の貸倒れ

(3)一定期間取引停止後、弁済がない場合等の貸倒れ

債務者について、図表3に掲げる事実が発生した場合には、その債務者に対して有する売掛債権について、法人が売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れとして損金経理することが認められます。

図表3 一定期間取引停止後、弁済がない場合等の貸倒れ

【Q】実務上、留意するポイントとは。

【A】貸倒損失について、実務上の処理についてポイントとなるのは、次のような点です。

(1)法律の規定による貸倒れに関する損金算入

法人がもつ金銭債権について会社更生法等の事実が発生し切り捨てられることが決定した場合には、その金銭債権はその時点で消滅したことになるので、その切り捨てられることとなった事業年度において、損金経理を要件とせずに強制的に損金算入されます。

(2)事実上回収不能の金銭債権の処理

債務者の資産状況、支払能力等からみて全額が回収不能であることが明らかになった事業年度において損金経理を行ない、損金算入することができます。
この回収不能が明らかになった事業年度において貸倒処理することは、会社法や企業会計上の考え方であり、これを利益操作に利用することは公正妥当な会計処理とは認められません。

(3)一定期間取引がない場合の貸倒処理

この場合の対象になる金銭債権は、営業活動により生じた売掛金や未収入金に限られます。
したがって、たまたま行なわれた固定資産の譲渡による未収入金、貸付金や未収利息などは対象になりません。




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