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公開日:2015年8月25日

経営への影響大! 5月に施行された改正会社法の重要ポイント 


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2015年5月1日、改正会社法が施行されました。コーポレートガバナンス、親子会社への規制など大企業向けと思われるようなものが目立ちますが、その実態はどうでしょう? まず、最重要ポイントから解説します。
(文責:日本実業出版社編集部)


改正会社法の8つの最重要ポイント

さる5月1日に施行された改正会社法の目的は、コーポレートガバナンスの強化、親子会社に関する規律の整備などです。改正内容は多岐にわたり、大企業から中小企業まで、経営に重要な影響を与える点が多く含まれていて、その最重要ポイントは次の8つです。

(1)社外取締役、社外監査役の社外性要件厳格化等

平成26年に改正された会社法(以下「平成26年改正会社法」)は、経営の健全性を維持・強化するため、社外取締役や社外監査役の会社関係者ではないという資格要件(社外性要件)を厳格化し、社外役員になれない人的範囲を拡げました。
また、上場会社等である監査役会設置会社が、社外取締役を置いていない場合は、置くことが相当でない理由を株主総会で説明する義務を設けました。

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(2)監査等委員会設置会社の創設

監査役会設置会社でも委員会設置会社でもない「監査等委員会設置会社」という新しい会社統治の形態を創設しました。監査等委員会設置会社の監査等委員会は、他の取締役より独立性の高い取締役で構成され、取締役会での議決権も有します。また、監査等委員会は、監査役会設置会社の監査役会と同じような監査業務を行います。

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(3)支配株主が変更する新株発行の規制

従来、公開会社(すべてまたは一部の株式に株式譲渡制限をつけていない会社)は、株式の2分の1を超えて所有する株主(以下「支配株主」)が変わってしまう新株発行も、取締役会決議でできました。しかし、これでは株主から委任を受けているにすぎない経営陣が、その保身のために新株を発行できることにつながります。
そこで平成26年改正会社法は、支配株主が変わる新株発行の場合は、既存株主に事前に知らせなければならず、10分の1以上の議決権を有する株主が反対したときは、原則として、新株発行に株主総会決議を得なければならないとしました。

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(4)多重代表訴訟

従来、親会社の株主が、子会社の取締役等に株主代表訴訟を起こすことはできませんでしたが、完全親子会社において、親会社の100分の1以上の議決権を有する親会社の株主は、原則として、子会社の取締役等に対して株主代表訴訟を提起できることにしました。これが「多重代表訴訟」といわれるものです。

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(5)子会社株式の譲渡に親会社の株主総会特別決議が必要な場合が認められた

従来、会社が所有する子会社株式の譲渡に株主総会決議は不要でしたが、一定規模の事業譲渡には株主総会決議が必要とされていることから、親会社の資産評価の5分の1を超える子会社株式の譲渡で、譲渡によって子会社の支配を失う場合は、親会社の株主総会特別決議が必要としました。

(6)少数株主の株式をすべて買い取る制度(キャッシュアウト)の創設

平成26年改正会社法は、90%以上の議決権を有する株主は、残りの株主全員に対し、その株式全部を自分に売り渡すよう請求できる制度を創設しました。現金を払って少数株主を追い出し(キャッシュアウト)、100%支配会社をつくりやすくしたものです。

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(7)組織再編行為の差止め

従来、親子会社をつくる株式交換、株式移転や、合併、会社分割などの組織再編が、法律による手続規制を守らずに行われようとしていても、原則、これを差し止めることはできませんでした。しかし、組織再編が終了した後に無効とすることは、法律関係を錯綜させるため、むしろ事前差止めを認めるほうが合理的です。そこで、平成26年改正会社法は、広く組織再編の事前差止請求を可能にしました。

(8)債権者を害する会社分割等の規制

ここ数年、会社分割を濫用して会社債権者を害する行為(濫用的会社分割)が行われていました。そこで平成26年改正会社法は新たな規制を設け、債権者を害することを知って会社分割がなされた場合、債権者は、事業を承継した会社に対しても、一定範囲で債務の履行を請求できるとしました。事業譲渡にも、会社分割と同様の規制が新設されています。

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その他の改正ポイント

以上の他にも、次のような改正ポイントがあります。

(1)
株主代表訴訟等にそなえて会社と締結する責任限定契約を締結できる人的範囲が、社外取締役、社外監査役のみならず、業務執行を担当しない取締役まで拡がりました(427条1項)。
(2)
会計監査人の独立性強化のため、会計監査人の選任や解任議案は、取締役会ではなく、監査役または監査役会が決定することになりました(344条)。
(3)
株式交換や株式移転によって、それまでA社の株主であった者が、A社の100%親会社の株主になった後でも、当該株主は、A社の取締役らに株主代表訴訟を提起できるようになりました(847条の2)。
(4)
企業グループ(親子会社)の内部統制整備の必要性が、会社法自身に規定されました(362条)。従来は、会社法施行規則で定められていました。
(5)
事業譲渡や合併、一定の定款変更等の場合、株主は会社に株式買取請求ができます。その価額で争いになったとき、裁判所の価格判断前でも、会社は、株主に、会社が公正と認める価格を支払っておけるようになりました(117条5項等)。裁判所が決定するまでの利息の発生を防ぐためです。
(6)
監査役の監査範囲を会計監査に限定している会社は、そのことを登記しなければならなくなりました(911条3項)。

以上、平成26年改正会社法のポイントのみを紹介いたしましたが、会社の設立、組織、運営及び管理について定めた会社法の理解は、経営者、管理者にとって必須のものです。詳細につきましては、『知りたいことがすぐわかる 図解 会社法のしくみ』をご参照ください。


図解 会社法のしくみ

図解 会社法のしくみ

株式の意味や株主の権利、株主総会の意義、会社の機関設計などから、キャッシュアウト、多重代表訴訟、コーポレートガバナンスなどまで、図表をまじえてやさしく解説。起業や経営の基本の会社法が、5月施行の改正点と一緒に理解できる一冊です。

著者:中島成

価格:¥1,728(税込)

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