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公開日:2012年12月26日

エリアも国も飛び越えた先に未開拓の市場がある 地方から世界に打って出る! 月刊「ニュートップL.」 2013年1月号

ニュートップL.編集部


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国内市場が頭打ちといわれる昨今、世界に目を向けるのは自然の流れである。日本のものづくりやサービスに対する海外からの評価は依然として高く、ITや物流の進化で海外の顧客との距離も縮まっている。
だが、中小企業にとってハードルが高いのも事実。経営資源の不足を知恵と勇気、行動力で補い、地方都市から敢然と世界に打って出て、新たな市場を切り拓いたトップに学びたい。


【視点】 営業力に乏しくても海外市場の開拓はできる編集部

意外にも、海外市場に挑戦する中小企業は少なくない。なかには、国内以上に海外で高く評価されるケースもあって、日本のものづくりの健在ぶりを世界中に知らしめてくれている。

samples01 日本を代表する伝統産業の一つである有田焼を使った万華鏡や万年筆を販売しているのは、佐賀ダンボール商会(年商2億円、従業員22名、本社・佐賀県有田町)。
考案者は3代目の石川慶藏(けいぞう)社長(65歳)で、同社はもともと有田焼製品の梱包用化粧箱などを製造していた。しかし、ライフスタイルの変化や安価な輸入食器などの攻勢に押されて、有田焼の生産量が年々、減少。それにともない、梱包用資材の需要も減っていた。そうしたなかで、新たな需要の喚起(かんき)を意図して考案したのが「有田焼万華鏡」だった。

天然原料を用いた有田焼は、焼成の工程を経て、一つひとつ微妙にサイズが異なる。金属部品と組み合わせるにはサイズの統一が必要になるなど、製品化までには様々な問題があったが、窯元(かまもと)や万華鏡作家など、異業種12者が協力して課題を解決。考案からほぼ1年後の2004年に完成した。

さらに、3年後には、そのノウハウを応用した「有田焼万年筆」の開発にも成功。「万華鏡」は、発売から1年間で約3,000本、約1億2,000万円を売り上げた。「万年筆」も発売から5か月間で1,500本の受注を獲得。08年開催の洞爺湖サミットでは、参加国首脳への贈呈品に採用されるなど、その技術力とアイデアが高く評価された。

そうした大舞台での評価に加え、アメリカで開催された世界万華鏡大会への出展でも注目され、アメリカの他、ロシアや中国、台湾、アラブ首長国などの高級デパートと代理店契約を結んだ。09年度の輸出実績は500万円ながら、着実に実績を重ね、15年度には2億円を目標としている。

「有田焼には400年の伝統がありますが、残念ながら、生産量は全盛期の7分の1にまで激減しています。でも、こんなに繊細で美しい陶磁器は日本の宝です。われわれ日本人が想像する以上に、海外での評価は高い。自信をもって紹介して、世界中のお客様に喜んでいただきたいと思っています」

石川社長は、そう語る(石川社長の挑戦については、次号『闘うトップ』にて詳しくお伝えします)。


国柄に合わせて恐竜を吸血鬼に変える

国内で異例の大ヒットを記録した作業工具『ネジザウルス』をDIYの本場であるアメリカで販売するエンジニア(年商11億円、従業員30名、本社・大阪市東成区)の挑戦は、海外で日本らしさを訴求しやすい伝統産業とは異なる点で、際立っている。

『ネジザウルス』は先端形状に独自の工夫を凝らしたプライヤーで、2代目の高崎充弘社長(57歳)が中心となって開発。頭の部分が潰れてドライバーでは外せなくなったネジでも、簡単に外すことができる。工具業界では年間1万本も売れればヒット商品とされるが、02年の発売以来、累計出荷数は130万本を超える大ヒット商品となった。

しかし、画期的な機能をもつ『ネジザウルス』も、当初はほとんど売れなかった。大ヒットの要因は、高崎社長が注力したプロモーション活動にある。

まず、『小ネジプライヤー』という地味な商品名を『ネジザウルス』に変更。ユニークな商品名に合わせてプライヤーを恐竜に見立て、そのキャラクターを主人公にした4コマ漫画ふうの「webまんが」やテーマソング、歌に合わせたダンスを創作した。そうしたプロモーション活動が徐々に奏功し、商品名の浸透とともに『ネジザウルス』の大ヒットにつながった。

そういった経験をもつだけに、アメリカでの展開に際しても、高崎社長はプロモーション活動を重視。国内での大ヒットの要因となった商品名をあえて捨て、『バンプライヤーズ』という商品名を打ち出して、グリップの色も緑から赤に変更するなど、大胆なモデルチェンジを実行した。夕日を思わせる赤は、 「バンパイヤ(吸血鬼)」と「プライヤー」の合成語であることから連想される色使いである。


ニュートップL.


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