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公開日:2011年5月1日

従業員個人が知っておくべき知識(1)| 被災・災害関連情報 

被災・災害関連情報


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本稿は平成23年4月5日現在の情報に基づいています。
非常事態のため、内容が随時変更・追加等されることがありますので注意してください。

災害減免法

【Q1】

個人が災害で被災した場合に、災害減免法によって所得税が減免されると聞きました。その詳細を教えてください。

【A1】

q1_ph 個人が所有する住宅または家財が、地震などの災害によって損害を受けた場合に、その損害金額が住宅または家財の時価の50%以上で、かつ災害を受けた年の合計所得金額が1,000万円以下であるときは、災害減免法の適用によって所得税の減免を受けられます。

対象となる住宅または家財は、本人または同一生計親族でその年の総所得金額等が38万円以下の者が所有する常時起居する住宅または日常生活に通常必要な家具、じゅう器、衣服、書籍その他の家庭用動産です。
別荘や1個または1組の価格が30万円を超える貴金属類、書画、骨とう、美術工芸品などは含まれません。

また、保険金や損害賠償金などによって補てんされた金額がある場合には、損害金額から差し引きます。

災害減免法によって軽減、免除される所得税額は、合計所得金額に応じて次のとおりです。

  1. 合計所得金額が500万円以下の場合
    「全額免除」

  2. 合計所得金額が500万円超750万円以下の場合
    「2分の1軽減」

  3. 合計所得金額が750万円超1,000万円以下の場合
    「4分の1軽減」

災害減免法による所得税の減免を受けるには、適用を受ける旨、災害による被害の状況、損害金額を記載した確定申告書を所轄税務署に提出する必要があります。

なお、雑損控除(Q2参照)の適用を受けた場合には、災害減免法による所得税の減免は適用されません(いずれか一方のみの適用です)。


雑損控除

【Q2】

個人が災害で被災した場合に、雑損控除の適用を受けられるそうですが、その詳細はどのようになっていますか。

【A2】

個人が所有する住宅または家財が、地震などの災害によって損害を受けた場合には、雑損控除の適用を受けられます。

対象となる住宅または家財は、本人または同一生計親族でその年の総所得金額等が38万円以下の者が所有する常時起居する住宅または日常生活に通常必要な家具、じゅう器、衣服、書籍その他の家庭用動産です。別荘や1個または1組の価格が30万円を超える貴金属類、書画、骨とう、美術工芸品などは含まれません。

雑損控除として所得から控除することができるのは、次のうちいずれか多い金額です。

  1. 損失金額-総所得金額等×10%

  2. 損失金額のうち災害関連支出の金額-5万円

この場合の損失金額は、損害を受けた時の直前におけるその資産の時価をもとにして計算した損害の額です。保険金や損害賠償金などによって補てんされた金額がある場合には、損害金額から差し引きます。

また、災害関連支出の金額とは、災害により滅失した住宅、家財などを取り壊したり除去したりするために支出した金額などです。

損失額が大きく、その年の所得金額から控除しきれない場合には、通常は翌年以降3年間に繰り越して、各年の所得金額から控除できますが、今般の大震災による雑損控除については、震災特例法(東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律)により5年間の繰越しが可能となりました。

なお、災害減免法(Q1参照)の適用を受けた場合には、雑損控除は適用されません(いずれか一方のみの適用です)。


平成22年分での適用

【Q3】

平成22年分の所得税で災害減免法や雑損控除の適用を受けられるようになったと聞きました。その内容を教えてください。

【A3】

災害減免法(Q1参照)や雑損控除(Q2参照)は、本来は被災した年分の所得税での適用です。
しかしながら、震災特例法が平成23年4月27日に施行され、今般の大震災により被害を受けた場合、平成22年分または平成23年分のいずれかの年分を選択して、軽減等の措置を受けられることになりました。

平成22年分で適用を受ける場合、確定申告が済んでいないときは確定申告によって、すでに確定申告をしているときは更正の請求によることになります。


住宅借入金等特別控除の継続適用

【Q4】

住宅借入金等特別控除の適用を受けていた住宅が被災した場合の取扱いはどのようになっていますか。

【A4】

住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)については、その住宅に引き続き居住していることが要件となっています。

今般の大震災によって、住宅借入金等特別控除の適用を受けていた住宅について、損壊等によって居住できなくなった場合でも、その住宅に係る住宅借入金等特別控除の残りの適用期間について、引き続き住宅借入金等特別控除の適用を受けられることになりました。

なお、給与所得者について、年末調整で住宅借入金等特別控除の適用を受けていた場合は、引き続き年末調整で控除を受けられます。


財形貯蓄の利子等の非課税

【Q5】

被災したことによって財形貯蓄の払出しをする場合の特例措置について教えてください。

【A5】

勤労者財産形成住宅貯蓄または勤労者財産形成年金貯蓄(財形貯蓄)について、その利子等は非課税とされていますが、住宅の取得等の目的以外で払い出すと課税対象となります。

今般の大震災で被害を受けたことにより、勤労者財産形成住宅貯蓄または勤労者財産形成年金貯蓄の払出しを受ける場合には、住宅の取得等以外の目的でも、その利子等について非課税となります。

対象は、平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間の払出しです。払出しの際、税務署に申請し発行を受けた書類を金融機関に提出する必要があります。

また、すでに住宅の取得等以外の目的で払い出し、利子等について所得税が徴収されている場合には、還付請求をすることによって、徴収された所得税の還付を受けられます。


被災事業用資産等の損失

【Q6】

事業所得者等について、事業用資産等が被災した場合の取扱いを教えてください。

【A6】

事業所得者等が所有している棚卸資産や固定資産などの事業用資産等が被災したことによって生じた損失については、次のような取扱いが可能です。

  1. その損失額を平成22年分の事業所得の金額等の計算上、必要経費に算入できます。

  2. 平成22年分の所得において純損失が生じた場合、平成21年分から青色申告をしているときには、事業用資産の震災損失も含めて、平成21年分の所得に繰り戻して所得税の還付請求ができます。

  3. 事業用資産の震災損失がある場合には、平成23年において生じた純損失の金額のうち、一定の金額について5年間繰り越せます。

所得税の寄附金控除

【Q7】

個人が被災地支援のために義援金等を支出した場合の所得税の取扱いは、どのようになっているのでしょうか。

【A7】

個人が国や地方公共団体、特定公益増進法人等に対して特定寄附金を支出した場合には、寄附金控除として所得から控除することができます。寄附金控除額は、その年中に支出した特定寄附金の額の合計額から2,000円を差し引いた金額です。ただし、特定寄附金の額の合計額は、所得金額の40%相当額(震災関連寄附金については80%相当額)が限度となります。

特定寄附金に該当するのは、次の義援金等です。

  1. 国または地方公共団体に対して直接寄附した義援金等

  2. 日本赤十字社の「東北関東大震災義援金」口座へ直接寄附した義援金、新聞・放送等の報道機関に対して直接寄附した義援金等で最終的に国または地方公共団体に拠出されるもの

  3. 社会福祉法人中央共同募金会の「各県の被災者の生活再建のための義援金」として直接寄附した義援金等

  4. 募金団体を経由する国等に対する寄附金

  5. 社会福祉法人中央共同募金会の「地震災害におけるボランティア・NPO活動支援のための募金」として直接寄附した義援金等

寄附金控除の適用を受けるには、寄附金控除に関する事項を記載した確定申告書に寄附したことを証する書類などを添付して税務署に提出するか、確定申告書を提出する際に提示する必要があります。

寄附したことを証する書類としては、次のようなものがあります。

  1. 県災害対策本部や義援金配分委員会等が発行する受領証

  2. 日本赤十字社等が発行する受領証または募金団体の預り証

  3. 郵便振替で支払った場合の半券(受領証)(その振込口座が義援金等の受付専用口座である場合に限ります)

  4. 銀行振込みで支払った場合の振込票の控(その振込口座が義援金等の受付専用口座である場合に限ります)

日本赤十字社や中央共同募金会への寄附を郵便振替や銀行振込みで行なった場合には、窓口で受け取る半券(受領証)や振込票の控をもって寄附したことを証する書類として差支えありません。

また、新聞・放送等の報道機関等の場合には、募金要綱、募金趣意書、新聞報道、募金団体のホームページの写しなど、義援金等を振り込んだ口座が義援金等の受付専用口座であることがわかる資料を、郵便振替で支払った場合の半券(受領証)や銀行振込みで支払った場合の振込票の控と併せて保存しておきます。


所得税の寄附金税額控除

【Q8】

震災関連寄附金で、一定のものについては寄附金税額控除が受けられるそうですが、その詳細はどうなっていますか。

【A8】

個人が認定特定非営利活動法人および共同募金会連合会に対して支出した震災関連寄附金のうち、被災者の支援活動に必要な資金に充てられるものについて、所得控除としての寄附金控除(Q7参照)に代えて、寄附金税額控除の適用を受けられます。

寄附金税額控除額は、支出した寄附金の額から2,000円を差し引いた金額の40%相当額です。ただし、所得税額の25%相当額が限度となります。


※Q1からQ8に関する問合せは、 国税庁(http://www.nta.go.jp/)、各税務署へ


企業実務 2011年6月号 掲載


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