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公開日:2011年3月18日

定年後継続雇用の選定基準の定め方は4月以降どうなるか 月刊「企業実務」 2011年3月号

坂井求(特定社会保険労務士)

実務相談室


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[問]従業員70人のメーカーです。当社では現在、定年後継続雇用の対象者の選定基準を就業規則で定めています。ことしの4月1日以降、この定め方が変わるということですが、どのようになるのか教えてください。

(山口県F社)

[答]継続雇用制度の対象者の選定基準を就業規則で定めることができる経過措置は、平成23年3月31日で終了します。したがって、4月1日以降は、労使協定を締結することによって選定基準を定める必要があります。
また、労使協定を締結するためには従業員代表の同意が必要となります。改めて選定基準が妥当なものかどうかを考慮したうえで、労使が合意に至ることができる条件を設定するよう努力する必要があります。


ポイント解説

継続雇用制度の労使協定

最初に、継続雇用制度の労使協定について説明します。
多くの企業は、定年退職後の雇用確保措置として、継続雇用制度(定年退職後、期間をあけずに嘱託社員等で再雇用すること)を導入しています。

この制度の対象を、希望するすべての従業員とした場合には労使協定の締結は必要ありませんが、制度の対象となる者の選定基準を設けるのであれば、その選定基準を定めた労使協定の締結が必要となります。

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下、「高年齢者雇用安定法」といいます)9条2項は、「事業主は…労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、前項第二号に掲げる措置(継続雇用制度の導入)を講じたものとみなす」と定めています。

ただし、これには経過措置が設けられており、高年齢者雇用安定法の附則5条において、「第九条第二項に規定する協定をするため努力したにもかかわらず協議が調わないときは、就業規則その他これに準ずるものにより、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入することができる」とされています。

この経過措置の有効期間は平成21年3月31日までですが、常時雇用する労働者数が300人以下の企業は、平成23年3月31日までとなっています。

したがって、常時雇用する労働者数が300人以下の企業で選定基準を就業規則で定めている場合は、平成23年4月1日以降は高年齢者雇用安定法が求めている要件を満たさなくなるので、同法違反となります。

このような事態を避けるためには、労使協定を締結するとともに、就業規則の継続雇用制度の条文で選定基準を労使協定により定めた旨を規定し、(届出義務がある場合には)労働基準監督署への届出を行なうことが必要です。

以上から、御社の場合も、早急に選定基準を労使協定で定め、継続雇用制度の条文を変更した就業規則を所轄の労働基準監督署へ届け出ることが必要です。

労使協定を締結する際に留意すべきこと

さらに、次のような問題点も考慮する必要があります。

選定基準を労使協定ではなく就業規則で定めているということは、選定基準について労使が話し合っても協議が整わなかったということでもあります。

したがって、今後労使協定を締結しようとする場合には、協議が難航することが予想されます。

労使協定で選定基準を定める際には、従業員代表と事業主との間で十分に協議をしたうえで、各企業の実情に応じて定めるものとされています。

そもそも従業員代表の同意が得られない場合には、労使協定を締結することができません。

したがって、労使の意見を調整する場をあらかじめ設け、従業員側にも配慮した基準を提示して理解を求めることが、労使協定を締結するためには必要です。

継続雇用制度の選定基準

継続雇用の望ましい選定基準として、行政では、

  • 意欲、能力等をできる限り具体的に測るものであること
  • 必要とされる能力等が客観的に示されており、該当可能性を予見することができるものであること

を挙げており、「具体性」と「客観性」を重視しています。

基準を作成する際には、具体的なものにして、かつ従業員自身が選定基準を満たしているかどうかを自ら判断できるようなものにするのが望ましいでしょう。


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