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公開日:2012年1月18日

自社株取得に対する奨励金が社会保険料の算定基礎になる基準とは 月刊「企業実務」 2012年1月号

坂井求(特定社会保険労務士)

実務相談室


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[問]従業員60名のメーカーの総務部長です。このたび、福利厚生の一環として、従業員持株会をつくる予定です。持株会への参加は任意とするつもりですが、従業員が自社株を取得する際には、取得資金の5%程度を奨励金として会社が負担しようかと考えています。
自社株取得に対する奨励金は、社会保険料の算定基礎になる場合とならない場合があるようですが、その基準を教えていただけますか。

(山口県U社)

[答]持株会への加入が強制である場合は、奨励金は社会保険上の報酬となり、任意である場合には報酬にはならないとされています。ただし加入が任意であっても、ほとんどの従業員が加入している場合は、報酬とみなされます。


ポイント解説

自社株取得に対する奨励金の取扱い

従業員持株会を設ける会社において、自社株を取得する際の出資金に対して、一定の割合で奨励金を支給することは一般的に行なわれています。

仮に奨励金の割合が取得資金の5%であれば、従業員が自社株取得のために毎月1万円を支払っている場合、合計で1万500円分の自社株を購入したことになります。

ここで問題となるのが、健康保険、厚生年金保険の保険料を計算する際の「標準報酬月額」のもとになる「報酬」に、自社株取得の奨励金を含めるのかどうかという点です。

奨励金が報酬に該当するか否かについて定めた法律、通達等はありません。ただし旧社会保険庁(現在の日本年金機構)より出された文書では、次のような考えが示されています。

  1. 加入が強制となっている場合は、奨励金は標準報酬月額のもととなる報酬に含める
  2. 加入が任意である場合は奨励金は報酬には含めない
  3. 持株会への従業員の加入が任意である場合であっても、ほとんどの従業員が加入している場合は報酬に含める

3.の「ほとんどの従業員」の指すところについては、明確に定められた基準があるわけではありません。

持株会への加入者数が従業員全体の半数を超えるようであれば、所轄の年金事務所等に照会することが望ましいでしょう。

なお、自社株取得に対する奨励金が社会保険上の報酬となる場合、この奨励金は稼働実績などによって変動する「非固定的賃金」ではなく、「固定的賃金」となります。

奨励金の額の増減があった場合には、随時改定に該当するかどうかの確認を忘れないようにしましょう。

労働保険の注意点

最後に、自社株取得に対する奨励金を労働保険(雇用保険および労災保険)の保険料算定基礎賃金に含めるかについて触れておきます。

労働保険においては、会社が従業員の財産形成を補助するために一定の率または額の奨励金を支払う場合については、労働保険料の算定基礎賃金には含めません。

社会保険とは取扱いが異なりますので、注意が必要です。


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