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公開日:2011年12月18日

懲罰委員会を設置する際の手順とポイントを教えてほしい 月刊「企業実務」 2011年12月号

坂井求(特定社会保険労務士)

実務相談室


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[問]従業員70名のIT系企業の総務部長です。現在、社内の人事制度を見直していますが、その一環として、懲罰委員会の設置を検討しています。
大企業では設置していることが多いと聞きますが、中小企業で懲罰委員会を設ける際の手順、ポイントについて、教えていただけますか。

(静岡県T社)

[答]懲罰委員会についての法律上の定めはありませんので、設置の有無、委員の構成等は各企業で決定することになります。
設置の際には、開催対象となる懲戒処分の範囲、委員会の構成メンバー、運営方法等を決めるとともに、懲罰委員会について就業規則に記載し、労基署へ届け出ることが必要です。

また、運用する際には、

  • 後日の証拠書類とするため、議事録を作成しておく
  • 懲罰委員会を開催せずに行なわれた懲戒処分については、手続上瑕疵があるものとして無効とされる可能性が高くなる

といった点に特に注意が必要です。


ポイント解説

懲罰委員会の概要

懲罰委員会(懲戒委員会、賞罰委員会などと呼ばれることもあります)とは、会社が懲戒処分を行なうに当たり、事実確認と調査、第三者の意見聴取、当事者への弁明機会の付与などを実施し、懲戒権が公正に行使されるために設置・開催されるものを指します。

懲罰委員会は法律で設置・開催が義務づけられているわけではなく、委員の構成等についても定めはありません。したがって懲罰委員会の役割、委員の構成、開催対象となる懲戒処分の範囲等は会社が決定します。

懲罰委員会を設置するメリットとしては、委員会を開催することで、懲戒処分の合理性が高まるという点が挙げられます。懲戒処分、特に解雇等の重い処分を行なうに当たっては、弁明の機会を与えずに問答無用で処分を実施することは、懲戒権の濫用と判断される可能性が高くなります。

この点において、懲罰委員会を開催し、事実関係を明らかにして弁明機会を付与することには、懲戒処分に合理性を付与する面で意味があります。

注意すべきこと

一方、懲罰委員会を設置したにもかかわらず、委員会を開催せずに懲戒処分を行なった場合は、その処分は手続きに瑕疵があるものとみなされ、無効となる可能性が高くなることに留意しなければなりません。

人員・時間が限られている中小企業にとっては、懲罰委員会を開催し、議事録の作成等を行なうことに負担を感じる場合もあり、一概に懲罰委員会を設置すべきともいえません。

この点で、懲罰委員会を設置する際は、その制度を運用することができるのか慎重に検討することが大切です。

設置する際の手順とポイント

設置するに当たっては、

  1. 懲罰委員会が意見を聴取する諮問機関であるのか、懲戒処分を決定する意思決定機関であるのか、その役割を明確にする
  2. 委員会の構成員を定める(委員長はだれか、委員の構成は役員・管理監督者のみとするのか、労働者側の委員を参加させるのか)
  3. 委員会の開催対象とする懲戒処分の範囲を定める(例:降格・懲戒解雇については懲罰委員会を開催する)
  4. 懲罰委員会の運営について定める(出席定数、第三者への意見聴取の方法、弁明機会の付与の方法等)
  5. その他の運用ルールを決める(守秘義務、決定内容の公表等)

という点について検討・決定していく必要があります。
懲罰委員会の運用に当たっては、適正な運用を徹底するとともに、懲罰委員会の内容を議事録にまとめておくことも必要です。
この議事録は、後日、懲戒処分の有効性が争われた際に重要な証拠となります。

なお、懲罰委員会の設置・開催を決定した場合は、就業規則上の相対的必要記載事項に該当しますので、就業規則に記載のうえ、所轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります。


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