NJ Publishing Sales - NJ Business Online

総務・人事 | エヌ・ジェイ出版販売株式会社


【お知らせ】 月刊「企業実務」好評発売中!

Home総務・人事実務相談室 ≫ LED照明の設置工事をした際の経理処理...
公開日:2011年12月18日

LED照明の設置工事をした際の経理処理 月刊「企業実務」 2011年12月号

植田卓(税理士)

実務相談室


このエントリーをはてなブックマークに追加  

[問]従業員60名の情報系企業の経理部長です。今回、節電対策のため、職場内の照明をすべてLED照明に替えることにしました。工事費は約30万円で、電球代が150万円ほどかかる見込みです。
工事費については固定資産計上するものだと思われますが、電球代については、どのような処理をすればよいのでしょうか。
(神奈川県Y社)

[答]LED照明への交換に際して、電球型のLEDランプは、既存の電球と同じ口金のものに替えればそのまま使えます。蛍光灯に似た直管型のLEDランプは、そのまま使える場合と取付器具を取り替えれば使える場合があるようですが、いずれにしても配線まで取り替えることはないので、既存の照明設備に対する資本的支出として処理することになると考えられます。
この場合、原則として1部屋あたりの電球代と工事費の総額が20万円未満であれば、少額資本的支出として損金処理することも認められると考えられます。
なお、LED照明への交換に係る費用の税務処理について、国税庁はいまのところ何も公表していません。今後、本稿での説明と異なる見解が公表されることもあり得ることをお断わりしておきます。


ポイント解説

LED照明の取得

従来から使われていた白熱球や蛍光管は、いずれも途中での交換を当然のように必要としています。
そのため、交換のために購入する白熱球や蛍光管は、一般的に消耗品として扱われていると思われます。

しかし、LED照明は、光度が初期の70%程度に低下するまで約4万時間といわれていて、仮に1日あたりの点灯時間を10時間、年間の稼働日数を250日とすると、16年間使用できる計算になり、電気設備の耐用年数である15年をも超えます。

したがって、LED照明は立派な減価償却資産であるといえるでしょう。

資本的支出か新たな資産の取得か

資本的支出と新たな資産の取得とは、どちらも減価償却資産の取得価額に計上されるという点では同じですが、その性格は異なります。

資本的支出とは、既存の資産に対して行なう支出であるのに対して、新たな資産の取得は、文字どおり新規に資産を取得することをいいます。

照明器具は、一般に、電球や蛍光管等の発光具、発光具を取り付けたり点灯を制御するための回路を有する取付器具、点滅を操作するためのスイッチ、スイッチと取付具との配線から構成されています。

したがって、LED照明への交換にともなって、発光具、取付器具、スイッチ、配線のすべてを取り替えた場合は、既存資産を除却して新たな資産を取得したことになると解されますので、既存資産の帳簿価額を除却したうえで、LED照明への交換費用を新たな資産の取得として減価償却資産に計上することになるでしょう。

しかし、LED照明への交換の場合は、(1)電球だけを取り替えるか、(2)電球の交換とともに取付器具を調整するか、(3)電球と取付器具とを交換するか、のいずれかになると思われますので、既存資産に対する支出として、資本的支出か修繕費のいずれかで処理することになるでしょう。

資本的支出か修繕費か

既存資産に対する支出が、次のいずれか、すなわち資産を改良するための支出に該当する場合には、資産に計上することになります。

  1. 通常の維持管理をしていた場合の現在価値を増加させる場合
  2. 通常の維持管理をしていた場合の耐用年数を延長させる場合

LED照明への交換費用が、右に当てはまらず、現状維持や原状回復に止まる場合は、修繕費として処理します。

LED照明への交換費用が、当初想定されていた耐用年数を延長させるための支出と解される場合は、資本的支出として処理します。

少額の資本的支出の特例

資本的支出について、その支出額が20万円未満の場合は、明らかに改良費に該当する場合であっても、修繕費として損金処理することができます。

この場合の20万円未満かどうかの判定の単位ですが、照明器具は、一般に各部屋や廊下など、建物の仕切りごとに仕様を設計されている場合が多いと思われます。

したがって、一般的には、部屋ごとに20万円未満かどうかを判定して差し支えないものと思われ、現実には損金算入されるケースが多いのではないでしょうか。


このエントリーをはてなブックマークに追加  




PAGE TOP