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公開日:2011年10月18日

従業員のアルバイトを認める際の労務上の注意点 月刊「企業実務」 2011年10月号

坂井求(特定社会保険労務士)

実務相談室


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兵庫県R社
従業員47名のメーカーの総務部長です。当社では従業員の兼業を禁止していますが、業績不振で賞与が出せないこともあり、一時的にアルバイトを認めようかと考えています。この際の労務上の注意点を教えてください。

(1)副業に費やす時間、負荷の程度を把握しましょう。
(2)副業の性格によっては、会社の信用・品位を貶めるおそれもあるので、注意を払いましょう。
(3)会社の個人情報、機密情報が副業先に漏洩・利用される危険性は皆無ではありません。情報管理の重要性を教え、誓約書を取りましょう。
(4)労働時間は、自社と副業先の時間が通算されます。この考え方を理解しておきましょう。

専門家より


ポイント解説

(1)から順に説明します。従業員は、会社と労働契約を締結することによって、誠実かつ完全な労務の提供を行なう義務を負います。
したがって、副業を認めるに当たっては、従業員から副業に要する1日当りの時間と副業の内容を申告させたうえで、本業に悪影響を及ぼすことのないように指導する必要があるでしょう。

副業の内容を把握することは、企業の安全配慮義務を果たすうえでも必要です。
そもそも会社が副業を認めているわけですから、副業の内容を把握し、当人の疲労の蓄積度、業務遂行状況を観察したうえで、疲労が認められた場合は副業を減らすよう指導を行なうなどの対応が必要になるでしょう。

(2)については、会社としてすべての副業を認めるわけではないと注意を喚起するとともに、申告させた副業の内容が会社の信用や品位を貶めるものではないか、適宜判断していくことが必要となるでしょう。

(3)については副業が営業活動を伴なうものや接客業、あるいは本業と関連性のある職種であれば、個人情報の流用などのリスクがあることを考えなければいけません。
会社の個人情報、機密情報の管理について遵守すべき点を再度確認しておき、従業員に守秘義務についての誓約書を提出させていないのであれば、この機会に提出させるなどの措置が必要となります。

最後に、(4)についてです。労働基準法38条では、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と定められています。

ここで問題になってくるのは、御社での所定勤務とは別に副業を行なうことによって、結果として1日の法定労働時間(8時間)を超過する場合には、どの部分が時間外労働となり、誰が割増賃金を支払う義務があるのか、という点です。

この点については、従業員と時間的に後から労働契約を締結した会社(本件においては副業先)に割増賃金を支払う義務があると解されています。

しかし、これは解釈であり法律上の定めではありません。
実務上は、トラブル防止のためにも、従業員に副業を認める前に、本業の所定労働時間は法定労働時間内の労働時間である旨について、労使双方が確認・合意しておくことがよいと思われます。


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