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公開日:2011年9月18日

非正規社員から育児休業の取得の申出があった場合の対応 月刊「企業実務」 2011年9月号

坂井求(特定社会保険労務士)

実務相談室


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[問]従業員60名の小売業の総務部長です。当社では正社員の育児休業制度については現在、整備していますが、パートなど非正規社員から育児休業の申出があった場合については、特にその対応について定めていません。
今後、非正規社員からの申出があった場合に備えて制度を整備していこうかと考えていますが、法律上、どのように対応すればよいのか、教えていただけますか。

(静岡県Y社)

[答]非正規社員の育児休業取得の可否については、まず契約期間の定めがあるかどうかによって基準が分かれます。

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(以下、「育児・介護休業法」といいます)では、契約期間の定めのある者については、一定の要件を満たせば、育児休業を取得することができる旨を定めています(ただし、日々雇い入れられる者については、育児休業の適用除外となります)。

契約期間の定めがない場合には、正社員と同じように取り扱うのが原則ですが、1週間の所定労働日数が2日以下の者については、労使協定を締結すれば育児休業の適用除外とすることができます。


ポイント解説

非正規社員の育児休業

平成17年4月に育児・介護休業法が改正され、それまで育児休業の対象外とされていた、契約期間の定めのあるパート社員等の非正規社員についても、一定の要件を満たせば育児休業が取得できるようになりました。

ここで注意すべき点は、契約期間の定めがないパート社員などの非正規社員は、社員形態、名称の如何にかかわらず、原則として育児休業の対象になるということです。

企業によっては、パート社員を雇用するにあたって契約期間の定めを設けずに、期間の定めがない契約として雇用する場合もありますが、この場合は育児休業の適用においては正社員と同じように取り扱うことになります。

ただし、前述したように、労使協定を締結することによって、1週間の所定労働日数が2日以下の者については、育児休業の適用を除外することができます。

契約期間の定めがある場合

契約期間の定めがある非正規社員については、次のいずれの条件も満たした場合に、育児休業が適用されます。

(1)1年以上、継続雇用されていること (2)子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用が継続することが見込まれること

つまり、1年以上雇用されており、契約期間の最終日が子の1歳に達する日よりも先にある場合には、契約期間の定めがあっても育児休業を取得することができることになります。
また、契約期間の最終日が子が1歳に達する日を超えていなくとも、

・契約期間の自動更新が定められている ・契約を更新する場合がある旨が明示されており、申出時点の労働契約と同じ長さの期間で更新されたとすると、更新後の契約期間最終日が子が1歳に達する日を超える

という場合については、育児休業を取得することができます。

ただし、1歳に達する日から1年を経過する日までに労働契約が満了し、更新されないことが「明らか」である場合は除かれます。

たとえば、労働契約において、「今回の契約満了をもって契約は更新せず終了します」と定められており、その契約期間の最終日が1歳に達する日から1年を経過する日までの間に位置する場合には、「明らかである」ということになり、育児休業の適用対象者にはなりません。

注意点

最後に非正規社員の育児休業取得についての注意点を挙げておきます。契約期間の定めがある非正規社員であっても、業務内容、更新回数・期間等の契約態様によっては、実質的には期間の定めがない労働者とみなされ、雇止めの際に問題が生じるケースがあります。

そして、実質的に期間の定めがないとみなされた場合には、育児休業においても、正社員と何ら変わりなく取得する権利が生じます。

この点、非正規社員の労務管理にあたっては、トラブルが生じないように注意が必要です。


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