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公開日:2011年8月18日

会費制のパーティーを開催した際に別途受け取った祝儀の経理処理 月刊「企業実務」 2011年8月号

植田卓(税理士)

実務相談室


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[問]従業員70名の情報系企業の経理部長です。当社の社長がこのたび本を出版し、その出版記念パーティーをホテルで行ないました。パーティーは1人1万円の会費制でしたが、会費とは別に祝儀を持ってきた招待客が少なからずいました。
この祝儀については税務上、どのように取り扱えばよいのでしょうか。

(東京都・R社)

[答]御社が単独で出版記念パーティーを開催したのであれば、社長の出版記念パーティーは、社長の個人的なものではなく、会社の周年行事のように御社が独自に行なう記念パーティーとして位置づけられます。
パーティー費用は交際費課税の対象に該当し、会費や祝儀として受け取った金額は、全額が益金の額に算入されると解されます。

これに対して、社長個人の業績を祝うために、御社とは別の立場で「祝う会」が組織され、その発起人に御社以外のメンバーも就任したのであれば、その収支はあくまで「祝う会」の収支です。
御社も「祝う会」に参画する立場として会費を負担するでしょうから、その負担額だけが交際費として課税されることになると解されます。

本来のご質問である会費に加えて受け取った祝儀の処理ですが、この祝儀を誰が受け取るのかによって結論が変わってくると考えられます。

「祝う会」が受け取るのであれば、「祝う会」の収支に取り込まれますし、御社が受け取るのであれば、御社の雑収入として益金の額に算入されることになると解されます。


ポイント解説

ご質問のケースでは、パーティー費用の総額から、会費として受け取った金額相当額を差し引いてよいのではないかとの疑問が生じます。

以前、ある会社が創立周年記念行事を開催した際に、これに要した費用の額から祝儀として受け取った額を控除した額が交際費課税の対象になるかどうかが争われたことがあります。

国税不服審判所は会社の主張を棄却し、パーティー費用の全額が交際費課税の対象となる一方で、祝儀として受け取った額の全額が益金の額に算入されるという判断を示しました。
このとき、会社は主に次のように主張しました。

(1)パーティーを企画する際に、受け取るであろう祝儀の額を見積もったうえで予算を組んでいるから、正味の負担額をパーティー費用として交際費課税の対象とすべきである。 (2)記念行事を会費制で行なう場合、その幹事会社について支出総額から会費を控除した額が交際費課税の対象とされているが、現実には祝儀も持参することが慣例とされ、両者に実質的な違いはないから、同様に取り扱うべきである。

これらの主張に対して、国税不服審判所は次のように判断しました。

(1)祝儀は、招待を受けた者が、自由意思で支出するものであり、会費とは異なる。 (2)会費制の記念行事で、その幹事会社について支出総額から会費を控除した額が交際費課税の対象となるのは、一つの記念行事を共同で行なった場合には、支出総額から会費を控除した後の額が、幹事会社の負担分として相当と考えられるからであり、記念行事を独自に単独で主催する場合とは状況が異なる。

国税不服審判所が、会費制の場合にはパーティー費用の支出総額から会費相当額を控除してよいと判断した趣旨は、あくまで、ある記念行事を共同で実行した場合が前提です。

今回、御社は、社長の出版記念パーティーを会費制で行ない、原則的には祝儀を受け取っていませんが、会費制であっても、パーティーを御社が単独で開催するのであれば、会費相当額を控除するのは難しいと思われます。

パーティー費用から会費を控除した額が交際費課税の対象になる場合

今回の会費制パーティーが「祝う会」などによって開催され、御社の単独による記念行事とはいえないことが明確であれば、御社の負担分だけが交際費課税の対象になるでしょう。

「祝う会」の収支不足額を負担した場合

仮に「祝う会」が会費制でパーティーを行なって収支不足額が生じた場合、御社は、その立場上、不足額を負担する場合も生じると思われます。

不足の理由が、会費が客観的にみて低額であり、当然に相当額の負担が生じると考えられるような場合には、実質的に御社の単独開催であると解され、パーティー費用の全額が交際費課税の対象になる可能性があります。

そうでなければ、負担した不足額と、御社の本来の負担額だけを交際費課税の対象としてよいと思われます。


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