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公開日:2011年7月18日

在宅勤務者の労働時間を適切に管理する方法を知りたい 月刊「企業実務」 2011年7月号

坂井求(特定社会保険労務士)

実務相談室


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[問]社員70名のIT系企業です。このたび、節電対策のために一部社員に対して在宅勤務を導入することを検討しています。
在宅勤務をする社員には自宅でパソコンを使って仕事をしてもらう予定ですが、労働時間の管理をどうすればよいのか頭を悩ませています。
適切な管理方法があれば、教えていただけますか。

(東京都J社)

[答]在宅勤務は労働時間管理を正確に行なうことがむずかしいので「事業場外労働のみなし労働時間制」を適用することが望ましいと思われます。
なお、この制度を適用した場合であっても、深夜・休日労働時間等の把握や長時間労働の抑制のために、日報等で労働時間の適切な把握に努めることが必要です。


ポイント解説

在宅勤務の際の労働時間管理

在宅勤務は、東日本大震災以降、企業にとっての有効な節電方法として注目されています。

総務省が発表した「テレワーク(在宅勤務)による電力消費量・コスト削減効果の試算について」のなかでも、「テレワークの導入に伴うオフィス勤務人員の減少・オフィススペースの工夫による照明の削減、空調使用時間の削減等により、オフィス自体の電力消費量は40%以上削減可能」と試算されています。

在宅勤務の導入で問題になるのが、社員の労働時間をどのように管理するのか、という点です。

事業主が社員の労働時間の始まりと終わりを実際にチェックすることはできませんし、日常生活時間帯と勤務時間帯が混在せざるを得ない状況下で、就業規則に定められた終業時刻以降は残業時間とするという取扱いにも無理があります。

そこで、在宅勤務については、一定の要件を満たした場合には、「事業場外労働のみなし労働時間制(以下、「みなし労働時間制」といいます)を適用することができます。

この制度は、会社の外で勤務し、使用者の指揮監督がおよばず、労働時間を算定することが困難な場合に、所定労働時間(または労使協定で定めた時間)を勤務したとみなす制度です。

みなし労働時間制を適用する要件

在宅勤務にみなし労働時間制を適用するためには、次の要件をいずれも満たす必要があります。

(1)当該業務が、起居寝食等私生活を営む自宅で行なわれること (2)情報通信機器(パソコン、携帯電話等)が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと (3)当該業務が、使用者の具体的な指示に基づいて行なわれていないこと

(2)の「使用者の指示により常時」とは、労働者が自分の意思で通信を切断することが認められていない状態を指します。

また、「通信可能な状態」とは、使用者が労働者に対して電話や電子メール等によりいつでも具体的指示を行なうことが可能であり、使用者から具体的指示があった場合には労働者がそれに即応しなければならない状態を指します。

単に回線が接続されているだけで、労働者が情報通信機器から離れることが自由である状態などについては「通信可能な状態」には当たりません。

時間管理の注意点

ここで注意しなければならないのは、みなし労働時間制を適用した場合でも、深夜時間帯や休日に社員が労働した際には、別途その時間を把握し、対応する割増賃金を支払う必要があることです。

また、在宅勤務は、日常生活の時間と勤務時間が混在することになりがちです。そのために社員のストレスが増大する、といった問題が生じる可能性もあります。

したがって、みなし労働時間制が適用されているとしても、社員に対して業務に従事した時間を日報等で記録・提出させ、必要に応じて働き方や業務内容等についての改善を行なっていくことが大切です。


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