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公開日:2011年6月18日

不採用者の履歴書の取扱いのルールを定めたい 月刊「企業実務」 2011年6月号

坂井求(特定社会保険労務士)

実務相談室


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[問]従業員60名のIT系企業です。当社では、採用活動に応募してきた者の履歴書の取扱いについて、特にルールを定めておらず、一定期間が過ぎた後、処分しています。今後、ルールを決めようかと考えていますが、どうするのが望ましいのでしょうか。

(大阪府L社)

[答]不採用者の履歴書の取扱いについては、必要でなくなったのであれば、原則としてその時点で写しも含めて返却または廃棄をするべきです。
返却の方法としては、応募者に不採用通知を送付する際に、履歴書一式を同封して返却するのが一般的です。
返却せずに自社で廃棄する場合には、事前に応募者にその旨を伝えるとともに、社内で応募書類の廃棄処分の手順を定めておき、その手順に従って誰がいつ処分を行なったかを記録しておくことが望まれます。


ポイント解説

履歴書の適切な取扱い方法

不採用者の履歴書の取扱いは、採用活動の際にトラブルが生じやすいポイントです。なかには個人情報の流出を心配する人もいて、応募書類の返却を求めてくることもあります。

この点について法律では、応募書類の返却または即時廃棄を求人企業に義務付けてはいません。しかし、履歴書は個人情報ですので、個人情報保護法に基づき適正に管理することが求められています。

不採用者の応募書類については、採用者のものと比較すると管理がおざなりになる傾向があります。
管理の不備から個人情報が流出する可能性があるため、行政は「雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」において、募集・採用の際の個人情報について遵守すべきルールを次のように定めています。

  1. 応募者から履歴書等の個人情報を集める際は、その利用目的を明らかにしなければなりません。
    なお、これは応募の際の提出書類の一覧を示した箇所に記載するなどして、本人に確実に利用目的が伝わるようにすることが必要となります(例「応募者の提出する書類は、採用選考のためにのみ使用します」という利用目的を、応募者に対して書面等で明示する)

  2. 応募者から得た個人情報の利用は、取得時に明示した利用目的の範囲内に限られます。
    たとえば、「今後の採用計画を立案するための統計資料として用いたい」という新たな利用目的が発生した場合は、その目的で利用してもよいか、当人の同意を得る必要があります。

  3. 不採用者の個人情報など、採用活動上、必要とされなくなったものについては、写しも含め、その時点で返却、廃棄または削除を適切かつ確実に行なう必要があります。
    返却しない場合は、目的外の利用が許されないことを忘れずに、安全に管理しなければなりません。
履歴書に関するルールの定め方

以上を踏まえて御社の履歴書の今後の取扱いについて考えてみましょう。
まず決めるべきなのは、「返却するのか、廃棄するのか、それとも一定期間保管するのか」という点です。

採用選考時の履歴書は、採用選考に利用する目的で提出されているわけですから、不採用決定後に履歴書を保管する必要性を考えなければなりません。
保管する場合は、その旨と理由を応募者に事前に説明しておくことが必要です。

履歴書を保管しないという選択をした場合は、返却または廃棄のいずれかを選択します。
応募者にとっては、原本一式を返却するのが最も安心する方法でしょう。しかし、応募者が大量にいて返却が物理的に不可能な場合は、廃棄を選択するのが現実的です。

この場合は、応募書類を誰が、いつまでに、どのような方法(業者による溶解処分など)で廃棄するかの手順を決めておき、廃棄した旨の記録を台帳等に残しておきましょう。

応募者から、応募書類が本当に廃棄されたか問合せがあった場合には、その記録に基づいて正確な回答をすることにより、無用なトラブルを回避できます。


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